シガーボックスをはじめる前に

シガーボックスの技を解説する前に、用語の説明や全般的な話をします。
まず、技の名前というのは厳密には決まっていません。同じ技でも本によって人によって言い方が違ってきます。私の書いた呼び方が正しいとも思えませんので、技を紹介するときにはその技は他で何と呼ばれているのか、分かる範囲で調査して併記してあります。
調査対象となった文献は以下の通りです。

練習する際の注意事項

シガーボックスの持ち方

Holding Cigar Boxes
別名

ホームポジション

概要

シガーボックスの持ち方です。

予め修得しておきたい技

特になし

回転数表記

HHH

練習方法

シガーボックス3個を体の正面に持ちます。両手の肘を直角にしてください。
箱2個を上から掴み、真ん中の箱は両手の箱で挟み込むようにして保持します。慣れないうちは真ん中の箱がずり落ちてしまいますので、左右の箱の下側に力を入れるように気を付けて持ってください。
両手の肘は脇腹に付けるように、箱の平面が地面と垂直になるように持てればOKです。

回転数表記について

シガーボックスの技を系統立てて説明するのに「回転数表記」という方法があります、というか私が考えました。
そもそものきっかけは「箱を全部縦にして3つ並べた状態から3個同時に投げ上げ、全部横の状態になるようにキャッチする」という技を修得したいと思ったことです。これはオールリリースと呼ばれる比較的メジャーな技なので、見たことのある人ならすぐにピンとくると思います。しかし誰でもすぐに気付くように、この表現では

といった問題があります。
そこで自分なりの表記法を考えた次第です。目標は「名前のない技が表現できる」「技のやり方が予想できる」「回転数を明記できる」、そして「なるべく多くの技が網羅できる」ことでした。
以下に回転数表記法の解説をしますが、これを知らなくても技はできますし、特に初心者のうちは気にしない方がいいかとも思います。興味のある方だけ読んでください。

原則

  1. 1個以上のシガーボックスを投げる。

  2. 静止した状態から始め、静止した状態で終わる。

  3. 箱の回転は時計回りおよび反時計回りのみ。

    シガーボックスは、その一番大きな平面(普通の状態で前面および後面)の中心を軸として回転させます。前面と後面を違う色にしてあったとしたら、色の変化は起きません。

表記法

シガーボックスは通常3個を使いますので、ここでも原則として3個1組とします。
厳密に言えば、技を表記するためには技そのものの他に初期状態と終了状態も記す必要があります。技と状態ではそれぞれ使用される記号も違ってきますので、以下「技のみに使用される記号」「状態のみに使用される記号」「両方で使用可能な記号」に分けて解説します。

  1. 箱の回転を表す記号(技のみ)
    0 ~ : 回転数

    1/4回転を1単位とした、演者側から見て反時計回りの回転単位数です。4単位が1回転、8単位が2回転、以下同様となり、原理的にはどこまでも数字を大きくすることができます。
    この数字は、箱を投げ上げる瞬間からそれが手などで受け取られるまでの回転数を表しています。最終的な静止状態までの回転数ではありません。従って1個の箱を手に持ったまま全く投げなければ、どんなに手首をひねったとしても回転数は0となります。
    シガーボックスは3個の箱を使うため、3つの数字で1組となることに注意してください。223と書いた場合、左の箱が2/4回転、中央の箱も2/4回転、そして右の箱は3/4回転することを意味します。……実はこの223というのが、オールリリースの最も簡単なバージョンの回転数表記です。

    +, - : 回転方向

    回転数を表す数値の前に付けて、その回転が順方向であるか逆方向であるかを示します。+ は通常は書く必要ありませんが、回転数が多くて紛らわしい場合に使用します。例えば1111ではどの箱を11/4回転させるのか分からないので、+11+1+1、+1+11+1、あるいは+1+1+11と書いて区別します。
    - は逆回転なので、例えば-4で(演者から見て)時計回りに1回転となり、左側の223は-3-2-2となります。

  2. 箱の状態を表す記号(状態のみ)
    H : 横向き
    V : 縦向き

    箱が静止状態で横向きか縦向きかを区別します。箱が3つとも横向きの、ごく普通の状態はHHH、3つとも縦になって並んだ状態をVVVで表します。

    / : 上下を表す記号

    箱を縦に積み上げた状態で持っているときに、どの箱がどの箱の上に載っているかを識別します。分数のように / の左側が上、右側が下です。3つを縦向きで縦に積んだ状態は V/V/V となります。

  3. 手を表す記号(両方)
    L : 左手
    R : 右手
    M : 中央(あるいはその他の場所)

    回転数(または箱の状態)に続けて記述することで、演者が自分から見てその箱をどの手で受け取るか(持っているか)を表します。右手の中抜きなら 0L0R0M、左手の中抜きなら 0M0L0R、両手をクロスさせた状態で持っているときは HRHMHL となります。
    M は要するに「手に持っていない」ことを意味するだけなので、実は書く必要がありません。また、普通の静止状態なら手の位置も書かなくても分かることが多いため、これらは全て省略可能です。主に技を記述するときの補助記号だと思ってください。

状態と技の繋ぎ目にコロン : を置きます。右の中抜きは HHH:0L0R0:HHH、左の中抜きは HHH:00L0R:HHH です。
このようにすることで技と技とを有機的に繋ぐことが可能になり、例えば中抜きを右左連続で行なう技は HHH:0L0R0:HHH:00L0R:HHH と表現できます(状態を表すHHHは、特にそれを強調したいとき以外は省略可)。