回転数表記について

シガーボックスの技を系統立てて説明するのに「回転数表記」という方法があります、というか私が考えました。
そもそものきっかけは「箱を全部縦にして3つ並べた状態から3個同時に投げ上げ、全部横の状態になるようにキャッチする」という技を修得したいと思ったことです。これはオールリリースと呼ばれる比較的メジャーな技なので、見たことのある人ならすぐにピンとくると思います。しかし誰でもすぐに気付くように、この表現では

といった問題があります。
そこで自分なりの表記法を考えた次第です。目標は「名前のない技が表現できる」「技のやり方が予想できる」「回転数を明記できる」、そして「なるべく多くの技が網羅できる」ことでした。
以下に回転数表記法の解説をしますが、これを知らなくても技はできますし、特に初心者のうちは気にしない方がいいかとも思います。興味のある方だけ読んでください。

原則

シガーボックスは、その一番大きな平面(ホームポジションの状態で前面および後面)の中心を軸として回転させます。前面と後面を違う色にしてあったとしたら、色の変化は起きません。

シガーボックスは通常3個を使いますので、ここでも原則として3個1組とします。
技を表記するためには技そのものの他に初期状態と終了状態も記す必要がある場合もあります。技と状態ではそれぞれ使用される記号も違ってきますので、以下「技のみに使用される記号」「状態のみに使用される記号」「両方で使用可能な記号」に分けて解説します。

技のみに使用される記号

0 ~
1/4回転を1単位とした、演者側から見て反時計回りの回転単位数です。4単位が1回転、8単位が2回転、以下同様です。この数字は、箱を投げ上げる瞬間からそれが手などで受け取られるまでの回転数を表しています。最終的な静止状態までの回転数ではありません。従って1個の箱を手に持ったまま全く投げなければ、どんなに手首をひねったとしても回転数は0となります。
+
回転数を表す数値の前に付くと、その回転が順方向であることを示します。通常は省略しますが、回転数が多くて紛らわしい場合に使用します。例えば1111と書いただけではどの箱を11/4回転させるのか分からないので、+11+1+1のように書いて区別します。
-
回転数を表す数値の前に付くと、その回転が逆方向であることを示します。例えば-4で(演者から見て)時計回りに1回転となり、左側の223は-3-2-2となります。

状態のみに使用される記号

H
箱が横向きであることを表します。箱が3つとも横向きの状態はHHHです。
V
箱が縦向きであることを表します。箱が3つとも縦向きの状態はVVVです。
/
箱を縦に積み上げた状態で持っているときに、どの箱がどの箱の上に載っているかを識別します。分数のように / の左側が上、右側が下です。3つを縦向きで縦に積んだ状態は V/V/V となります。

両方で使用可能な記号

L
回転数を表す数値の後に付くと、その箱を左手で受け取ることを表します。状態を表す記号の後に付けば、箱を左手で持っていることを表します。
R
回転数を表す数値の後に付くと、その箱を右手で受け取ることを表します。状態を表す記号の後に付けば、箱を右手で持っていることを表します。
M
回転数を表す数値の後に付くと、その箱を手では受け取らないことを表します。状態を表す記号の後に付けば、箱を手で持っていないことを表します。
:
状態と技の繋ぎ目を表します。例えば右の中抜きは HHH:0L0R0:HHH、左の中抜きは HHH:00L0R:HHH です。