ジャグリング系のレポート

JJFゲストステージ

ジャパン・ジャグリング・フェスティバルの目玉として、初回の1999年から毎年行なわれています。JJF本体とは別料金ですが、海外からわざわざゲストを呼んでいることを考えれば良心的な価格設定と言えるでしょう。このゲストステージの模様はビデオにも残されています。

1999年

1999年10月29日(金) 19:00~20:40
記念すべき第1回の出演は

  • ジェイ・ギリガン
  • マイケル・メネス

の2人でした。客は100人いたかどうかぐらいで、後にジャグリングを始めた人から「羨ましい」とか「もったいない」とか言われた伝説のステージです。JJF1999のビデオにその様子が写っているものの、ビデオ自体が絶版となっています。
内容の詳細はビデオレビューに書いてある通りで、ステージでも2人が交互に登場して1ネタずつやっていくというスタイルでした。

2000年

2000年8月25日(金) 18:30~20:00
京都で行なわれたこの年の出演は

  • ショーン・マッキニー
  • Mr.アパッチ
  • ロト & ビンゴ

の3組4人でした。ショーン・マッキニーは言うに及ばず、Mr.アパッチもBMXとかではなく普通にジャグリングを見せてくれたのがよかったです。詳細はJJF2000のビデオを参照してください。
これに衝撃を受けた人が多かったためか、このあと日本ではショーン・マッキニーを真似した動きをするジャグラーが増えることとなります。

2001年

2001年8月18日(土) 15:00~16:30
名古屋開催で、当時まだ名古屋にジャグリングサークルなどが皆無だったためか、一般客を取り込むべく非常に安い値段で開催されました。出演は

  • ブライアン・パッツ
  • Dr.ニャートン
  • クーピー

などで、歌手(?)のますだ美季、バックダンサーとしてJDD(ジャグリング・ドーナツ・ダンサーズ)も活躍しました。JJF2001のビデオのところでも説明しているように、内容はミュージカルです。
本編のあとにアンコールが30分ぐらい続いて、特にブライアン・パッツの演技は本編とほとんど同じだったのでちょっと退屈でした。

2002年

2002年10月4日(金) 19:00~20:00
出演は

  • デイナ・タイソン
  • シリウス

の2組3人で、時間もちょうど1時間で終わるという短めの構成でした。しかし内容は濃く、今までのゲストステージと比べても決して見劣りはしていません。
デイナ・タイソンの芸域の広さに驚くとともに、シリウスはやはり大道芸ではなくステージの人だと感じました。組み合わせ的にもとてもよい2組だったと思います。

2003年

2003年8月23日(土) 18:30~19:40
出演は

  • ヴォヴァ & オルガ
  • 矢部亮
  • ハードパンチャーしんのすけ

の3組4人でした。唯一喋りが入る芸風のハードパンチャーしんのすけが全体の進行をつかさどる司会の役目を担っていました。
最初に全員が登場してからそれぞれ5分ほどのネタを披露し、後半に各芸人の得意なものを連続して見せるという構成でした。ヴォヴァ & オルガが挨拶ルーティンで10クラブまでさらっとやってしまったのに度肝を抜かれ、最後のクラブパスはもう笑うしかないようなすさまじいものでした。
会場が平坦で少し後ろからだと非常に見づらかったことと、客席からアンコールが起きているのに強引に終わらせてしまったのがやや不満です。

2004年

2004年6月20日(日) 14:00~16:00
名古屋で2回目のJJFは、オアシス21にある半屋外の銀河の広場で行なわれました。ゲストステージに海外からの招待パフォーマーはなく、「なるべく安く」というコンセプトのもと一般にも無料で公開されました。
出演は

  • YOHEY & KAZUHO
  • こまのおっちゃん

の2組3人で、地元の大道芸人オマールえびの2人が司会進行を務めました。
YOHEY & KAZUHO は本来ジャグリングと手品が半々というスタイルですが、今回はJJFのゲストということでKAZUHOのジャグリングがほとんどでした。ステージでは珍しいフレア・バーテンディングがあったり、技術的にも7ボールまで見せるなど内容は決して悪くなかったと思います。問題は、半分屋外であるために風が吹くなどステージに集中しづらい環境だったことと、チャンピオンシップに続けて行なわれたために技のすごさが正しく伝わらなかったことでしょう。
後半のこまのおっちゃんは日本の独楽を使った芸でしたが、こちらは極めて退屈でした。普段は小学生を相手にショーをしているらしく、そうでない観客への対応が全くできていません。

2005年

2005年8月13日(土) 19:00~20:20
JJF本体はなんばにある大阪府立体育会館でしたが、ゲストステージはそこから電車を乗り継いで40~50分ぐらいのところにある小ホールで行なわれました。240ある客席が満員となりましたが、これはJJF史上初めてのことです。
出演は

  • 池田洋介
  • ヴィレ・ワロ

の2人でした。最初に池田洋介が自分の持ちネタを次々と披露し、10分ほどの休憩を挟んで今度はヴィレ・ワロの1人舞台という形式でした。
池田洋介は「リズム」と題したパントマイム中心のショーで、手品があったり、ジャグリング的には帽子やボールなどが使われていました。最後の黒板ネタはラーメンズっぽい。
ヴィレ・ワロは豆電球を配した傘を差して登場し、やや暗い舞台には街灯がともされています。いかにもヨーロッパ的な演出で、確かな技術がありながらもそれを前面には出さずに何かを表現する、いわば上級者向けのパフォーマンスでした。雰囲気が先の池田洋介とマッチしているのもよかったと思います。
JJFというイベントの一環とは言え、現在の日本で商業的に成功するとはとても思えないステージを成立させたのは画期的なことと言えるでしょう。

2006年

2006年10月9日(月・祝) 14:00~15:20
JJF本体と同じ敷地内にある大ホールで行なわれました。750席ある座席の8割方が埋まっていたと思います。
出演は

  • 江戸太神楽 丸一仙翁社中
  • ピーター・ガーバー
  • マーカス・ファートナー
  • トーマス・ディーツ

の4組10人でした。
マーカス・ファートナーのデビルスティックがすさまじく、デュアルプロペラをノールックで回したり、一瞬で方向を変えたり、2アップダブルピルエットまで見せてノーミスでした。この時点で最初のスタンディングオベーションが起きています。
トーマス・ディーツは決め所でのミスが多かったものの、5クラブバッククロスや9ボールまで演じていました。太神楽ではくわえ撥土瓶の曲を初めて見ましたが、とても素晴らしかったです。
客席はJJF史上最高の盛り上がりを見せて、合計3回というJJF史上最大のスタンディングオベーションが沸き起こりました。

2007年

2007年9月23日(日・祝) 18:15~20:15
JJF会場である北部体育館からバスで20分ほど移動して、静岡市の中心街にある静岡銀行のホールで行なわれました。400以上ある座席はほぼ埋まっていました。
今年のゲストは公式には

  • ジェイ・ギリガン
  • エリック・オーベリ
  • 平野真幸
  • 青木康明
  • 坪田智

の5人ですが、坪田智にアシスタントというか相方がいて実際には6人でした。
最初に30分ほど坪田智と相方によるフレアバーテンディングがありました。ステージ上に机や道具を設置して行ない、できたカクテルは最前列の客に振舞われていました。
残りの4人は最近チームを組んで北米ツアーを行なったりしているようです。今回のステージはその公演をほぼそのままの形で見せてくれました。4人いますが全員でパフォーマンスをするのではなく、それぞれの持ちネタを1つずつ順番に披露していくという形式です。全員が常にステージ上で待機しているのは珍しい。
最後はジェイ・ギリガンのアドリブやりたい放題ルーティン(?)で、1999年の来日時を思い出させる素晴らしいものでした。

2008年

2008年10月12日(日) 17:40~19:00
JJF会場のグリーンアリーナ神戸体育館から電車を乗り継いで北区民センター大ホール(通称すずらんホール)まで見にいきました。400近い座席は8~9割埋まっていたと思います。
出演は

  • ウェス・ピデン
  • ウィリアム・ウェイリャン・リン
  • メトラ
  • 布施善之
  • 今村勇太

の5人で、森俊行とパティオの人たちによる司会が間に入りました。
基本的には各自が自分の持ちネタを順に演じるボードビル形式で、最後に「アンコール」でさらに1ネタずつを披露してくれました。
ウィリアム・ウェイリャン・リンの高速ディアボロは、すごすぎて何がすごいのかも分からないほどです。マニアの悲鳴のような歓声に私は完全に置いていかれていました。ウェス・ピデンは色々な道具をそれぞれうまく使っていて、特にクラブの扱いが白眉でした。2クラブでこれだけ見せることのできるジャグラーを他に知りません。
今村勇太の光るポイ、ウィリアム・ウェイリャン・リンの光るディアボロもステージならではの演出でとてもよかったと思います。

2009年

2009年10月11日(日) 17:30~18:50
JJF会場の千葉ポートアリーナから移動して青葉の森公園芸術文化ホールまで見にいきました。定員537人のところ空席も結構ありましたので、入場者は300人ぐらいでしょうか。
出演は

  • 池田洋介
  • 長畑伸作
  • 桔梗ブラザーズ
  • ロレンツォ・マストロピエトロ

の4組5人でした。それぞれの芸人が自分の持ちネタを順番に披露し、ロレンツォ以外は3回ずつぐらい登場していました。
池田洋介のネタのうち「7:31」だけは今回が初見でしたが、とてもよかったと思います。いくつものアイデアが重なって、しかも全体として綺麗なパフォーマンスに仕上がっていました。
ロレンツォ・マストロピエトロはアリーナで練習しているところを結構見ていたにも関わらず、なお驚くような技がたくさんありました。また、クラウン的な動きなど随所に笑いも散りばめられていて非常に楽しかったです。終始無音で通すというのもすごいことだと思いました。

2010年

2010年9月19日(日) 17:20~18:20
JJF本体の維新百年記念公園からチャーターバスに乗って、同じ山口市の山口市民会館まで見にいきました。会場は1500人収容できる大ホールで、当然のことながら満席にはなりません。
出演は

  • タカシェンカ
  • 森田智博
  • 岩上千紘
  • ステファン・シング & クリスティアナ・カサディオ

の4組5人でした。最初の3人が自分の持ちネタを順に披露し、2分ほどの休憩を挟んでトリを務める2人の単独公演という形式でした。
タカシェンカと森田智博は、普段やっているルーティンをジャグラー向けにアレンジしていたようです。岩上千紘は専門が3バトンらしいですが、ジャグラーにとってカスケードは珍しくないため、むしろ2バトンの方が面白かったです。
ステファン・シング & クリスティアナ・カサディオの演目は、様々な動きの中での0~3ボールで、エアジャグリングが面白いと思いました。2人の関係性を重視したパフォーマンスは好みの分かれるところで、興奮してスタンディングオベーションした人もいれば、覚めて見ていた人も寝ていた人もいました。個人的にはもう少しジャグリングの要素を多くしてほしかった気がします。新しい表現の可能性があった点はよかったと思います。

2011年

2011年10月9日(日) 18:00~19:15
この年のJJFは2006年と同じ場所で行なわれ、ゲストステージも同じ敷地内の大ホールで行なわれました。座席は750ほどありますが、客は500人ぐらいだったと思います。
出演は

  • 天平
  • コン朗
  • AJシルバー
  • ショーン・ブルー & ジョジョ・ブルー

の4組5人でした。
最初にAJシルバーのソロがあり、次にコン朗のソロ、天平のソロ、天平 & コン朗のチームと続き、もう一度AJシルバーが登場してトリがショーン・ブルー & ジョジョ・ブルーでした。
天平コン朗のチームデビルはチームとしての技もたくさんあってレベルも高く、2人とも忙しい中よく練習したなあと感心しました。AJシルバーはロープ、鞭、ボーラスを演じました。客を舞台に上げたり、2本の鞭で演奏したり、グローロープがあったりとバラエティに富んだものでした。
最後のショーン・ブルー & ジョジョ・ブルーは、ショーンの動きに合わせてジョジョがピアノやシンセサイザーを演奏したり歌ったりするという内容です。独特の世界観がありました。道具はリングとボールで、特に5ボールが上がるのに合わせて5つの音を発声するのが斬新で面白かったです。

2012年

2012年10月7日(日) 18:00~19:15
この年のJJFも前年と同じ場所で、ゲストステージも同じ敷地内の大ホールで行なわれました。700枚のチケットが売り切れて満員でした。
出演は Team RdL (RenegadesignLab) の4人、具体的には

  • ジェイ・ギリガン
  • エリック・オーベリ
  • パトリック・エルムナート
  • ウェス・ピデン

でした。ゲストステージ出演はエリック・オーベリとウェス・ピデンは2回目、ジェイ・ギリガンは3回目になります。日本人ゲストはいませんでした。
技術をダイレクトに見せるというわけではなく、小ネタをたくさん盛り込んで全体として何となく統一感の取れたステージになっていました。ソロ技もありましたが、全体としては4人が絡むものが多く、チームとしてのパフォーマンスが見られたのがよかったです。
舞台上にたくさん置いてあった道具を拾っては投げていました。ボール、リング、クラブなど3つの物体でカスケードしつつ、手や首にリングをひっかけたり、他人の邪魔をしたり、道具が入れ替わったり、順番に同じことをしたり、後ろで関係ないことをしたり……。赤い糸の付いたボールのように変わった道具もあれば、カスケードしながらリングを両手にキャッチするといった思いつきそうで思いつかなかった動きもあり、アイデア満載の楽しいショーでした。

2013年

2013年10月13日(日) 18:00~19:30
JJF会場は三島市民体育館で、ゲストステージはそこから徒歩15分ぐらいの場所にある三島市民文化会館で行なわれました。950人が入れる大ホールで8割方埋まっていたと思います。
出演は

  • Laugh and Rough
  • アルバート・ルーカス

の2組3人でした。Laugh and Rough は Daggle KOMEI (青木康明)と、わっしょいゆ~た(深澤佑太)の2人によるユニットです。
最初に Laugh and Rough が1時間20分ほどかけて自分たちのパフォーマンスを行ない、映像によるアルバート・ルーカスの紹介に続いて本人が登場しました。全体として1時間30分でしたので、アルバート・ルーカスは10分間に全てを詰め込んだ形です。
いきなり7リングに始まって、光るフリスビーを投げ、7ボールを投げ、腰に着けたポケットでキャッチし、最後は3クラブでまとめていました。プロスポーツのハーフタイムショーを思わせる怒涛の10分間でした。
Laugh and Rough はジャグってないときに使った道具や動きがその後の伏線になっているわけでもなく、道具の見立ても中途半端だったのが残念でしたが、ジャグリング部分は素晴らしかったです。新たに開発した音の出る道具「ジャグタップ」もよかったと思います。

2014年

2014年10月12日(日) 18:00~19:05
JJF本体は2年前と同じ場所であり、ゲストステージも同じ敷地内の大ホールで行なわれました。700あった座席が数日で完売するという驚くべき状況でした。
出演は

  • ながめくらしつ
  • フローレント
  • エティエン

の3組6人でした。ながめくらしつはジャグラーが目黒陽介、宮野玲、大橋昴汰の3人で、それにピアノのイーガルが加わっています。
最初にながめくらしつがボールとリングで35分間のショーを行ないました。ピアノや大道具を片付けるために10分間の休憩を挟んで、フローレントのソロ、続いてエティエンのソロという構成でした。全体にミスが多かったのが惜しまれます。
フローレントはクラブと杖を使った独特のパフォーマンスで、楽しげに喋りながら技を繰り出していくのが斬新でした。クラブを杖に引っかけて投げたりバランスしたりで、最終的に3クラブ + 3杖まで投げていました。
エティエンはスタイリッシュなディアボロで、3ウィンドミルの途中に技が入ったり、余裕で4ウィンドミルを回したりしていました。

2015年

2015年10月11日(日) 18:00~20:00
JJF会場はビッグパレットふくしまという展示場で、ゲストステージはそこから貸し切りバスで10分ぐらいの場所にある郡山市民文化センターで行なわれました。800席ある中ホールで、客の入りは7割程度だったと思います。
出演は

  • くるくるシルクDX
  • アニ・キュパー
  • トニー・ペッツォ

の3組6人でした。くるくるシルクDXは、くるくるシルク(3人)とケイスケによる4人組のユニットです。
最初にくるくるシルクDXが45分かけて自分たちのパフォーマンスを行ない、10分間の休憩を挟んでアニ・キュパーが20分、トニー・ペッツォが40分程度でした。
くるくるシルクDXはジャグリングも少しはありましたが、基本的にクラウニングで、スティルトのネタや大きなボールの上を滑って飛ぶネタで歓声が起きていました。アニ・キュパーはクラブを使用した演目2つを、やや冗長な繋ぎネタを挟んで披露していました。両手を縛った状態で1本のクラブを操るのがなかなかよかったです。
最後のトニー・ペッツォは、1から8まで書かれた箱がステージ上に並んでいて、客が引いた番号の箱に入っていた道具でパフォーマンスをする、という趣向でした。最終的に全ての箱を開けるのですが、最後の箱には「おしまい」と書かれたボードが入っているというオチが用意されていました。演目としては、網とボール、リング、デビルスティック、クラブなどがあり、特に網とボールを使ったパフォーマンスのアイデアの数々には感心しました。非常に引き出しの多いジャグラーだと思います。

2016年

2016年10月9日(日) 18:00~19:05
JJF本体は2年前と同じ場所であり、ゲストステージも同じ敷地内の大ホールで行なわれました。700ある座席のうち9割方が埋まっている感じです。
出演は

  • ギヨーム・マルティネ
  • エリック・ロンジュケル
  • ダヴィッド・マイヤール

でフラークというタイトルの演目でした。最初の2人がサーカス・カンパニー「デフラクト」のジャグラーで、3人目は音楽担当(?)ですがときどき演技に加わります。ヌーヴォー・シルクらしい暗めの照明と繰り返しの多いBGMを使用していましたが、スポットライトやスピーカーを持ち歩いていたのは珍しい。フラークだけで1時間強あったためか、今年は国内ゲストはいませんでした。
デフラクトの2人の変な体の動きと、その動きのまま投げたりキャッチしたりするボールの正確さに度肝を抜かれました。ずっと1個のボールしか投げていなくて、このまま1ボールだけで終わるのかと思ったら途中で3ボールになりました。ただしそれもすぐに終わり、最終的にはボールを全く使わずに体の動きだけになったのですが、それがまた面白い。
これだけ変な動きをたくさん考えて、2人でシンクロさせて、飽きさせない構成にして、1時間演じ続けるというのはすごいことだと思います。

2017年 new

2017年9月22日(金) 20:00~21:05
JJF本体と同じ施設のメインホールにて行なわれました。1000ある座席の7割程度が埋まっていたと思います。
出演は

  • 望月ゆうさく
  • 智士
  • ギヨーム・カルポビッチ

の3人でした。
最初に望月のディアボロ作品「白でもなく、黒でもなく」があり、智士のボール、再び望月の "Universal moment" を挟んでギヨームのディアボロへと続く構成でした。
望月のディアボロのうち前者はストーリー性の強い演目で、後者はスクリーンとその前後も使用する映像作品でした。智士は大きな赤いボールを最大5個と、普通の白いボールを最大7個使った正統派ジャグリングです。彼を生で見ることはほとんどないので、いい機会でした。
ギヨームのパフォーマンスはディアボロの概念を覆す鮮烈なものでした。ピンと伸ばした紐の上でディアボロを止める、すばやく動いてまた止める、上下にも左右にもすばやく動く、といった操作を様々に行なっていきました。2個のディアボロが紐の両端から中央に寄ってきてピタリと止まり、再び両端に戻っていったのには驚きました。手元のディアボロと足元のディアボロが同じ動きをするというコミカルな部分も面白かったです。

JJFナイトショー

2006年のジャパン・ジャグリング・フェスティバル実行委員長の発案により行なわれたものです。JJF本体の参加者のみが観覧できて、かつ無料であるという点がフェスティバルを盛り上げる一役を担っていました。

2006年10月7日(土) 19:30~21:20
メインは1999年から2005年までのJJFチャンピオンシップ個人部門で優勝した人と、実行委員会推薦の人(とチーム)によるジャグリングショーです。そしてその合間に歴代の優勝者のトークがあり、彼らからのプレゼントがあったりと盛りだくさんな内容でした。
ショーの出演者と演順は

でした。
JJFチャンピオンシップで優勝するような人は、その人にしかできない決め技を持っているということと、何年経ってもそれを披露できるということに深い感銘を受けました。
今回のナイトショーでも特によかったのは今村勇太と森田智博です。今村の光るポイは、計算された動きとそれを制御できる技術によって、今まで見たグロー系ジャグリングの中で最も美しいものでした。森田は相変わらずミスが多いものの、3ボール1アップ4回転ピルエット、5シャワーからキックアップで6シャワー、7ボール5アップピルエットなどを決めて圧巻でした。
最後には数人が立ち上がってスタンディングオベーションをしていました。とてもいいものを見せてもらった気がします。

カスケード・オブ・スターズ

毎年北米の都市で行なわれているIJAフェスティバルのトリを飾るショーです。フェスティバル自体とは別に料金が設定されているため、一般の観客が見ることも可能です。

2015年

2015年7月25日(土) 20:10~22:40
この年はカナダ・ケベック州の州都であるケベック市にてIJAが開催されました。
カスケード・オブ・スターズの会場は街の中心部にあるライブハウスのような場所で、フラットな床にパイプ椅子が300ほど並べられていました。客席後方にはバーカウンターもあって飲みながら見ている人もいます。
自由席なので1時間以上前から並んで、床が1段高くなっている場所の2列目中央やや下手側といういい席を確保しました。満席だったと思います。
出演は順に

  1. マルコ・パオレッティ & デビッド・メネス
  2. ソルスティックス
  3. ステファン・ジェンティリーニ
  4. ジミー・ゴンザレス
  5. コリジョン・オブ・リズム
  6. ジョルジュ・プティ
  7. ジュリー・ラバーニュ
  8. スベトラーナ・ズエヴァ
  9. トニー・フレバーグ

で、4. と 5. の間に20分の休憩がありました。
2人組の司会者がいて出演者を順に紹介していくスタイルで、1組ごとに幕が下ろされていました。出演者のほとんどがケベックサーカス学校出身者だそうです。
粘土ジャグリングのジミー・ゴンザレスがすごいです。粘土の塊を投げているうちに割れたりくっついたりして個数が変わっていきます。最大6個にまで分裂していました。そして一番の見所は、投げていた粘土を捨てても捨てても個数が減らない! 素晴らしいアイデアだと思いました。彼はこのパフォーマンスにより、シルク・ドゥ・ドゥマンで金賞を取ったらしいです。

テオレム

2015年のIJAフェスティバルの中で行なわれた、グレッグ・ケネディを中心とした6人のチームによるショーです。これ単独のチケットも売られており、当日券もあったため、IJAに参加しなくともショーを見ることは可能でした。

2015年7月23日(木) 20:05~21:50
会場はカナダ・ケベック市の中心部からやや外れたところにあるサーカス学校に造られた特設ステージです。座席はフラットな床にパイプ椅子を300ほど並べたもので、満席でした。自由席だったため開演15分前に着いたときには既に前の方の席は埋まっていました。
主な演目は

  1. 大小の木枠によるタワー
  2. ヘミスフィア(3台、鏡なし)
  3. エアリアルロープ・デュオ
  4. 3個が鎖で繋がれたボール
  5. 回転する四角形でバウンス
  6. 伸び縮みする提灯
  7. 回転する鉄棒
  8. 長さの違う角材
  9. 音の出る筒
  10. V字バウンス
  11. 円筒
  12. 金属の茎
  13. 木枠のジョイント
  14. エアリアル十字・デュオ
  15. 下向き円錐

でした(演目名は適当)。7. と 8. の間に25分の休憩が入ります。
それぞれの演目において、1~6人がテーマとなる装置を使ってジャグリングやアクロバットを披露していくというスタイルでした。装置や演目の説明はなく、1つの演目が終わると静かに退場して次の演目が始まっていました。
ちょっとしたアイデアも含めて面白い装置がいくつも登場しました。ヘミスフィアやV字型のバウンス台など、彼の代表作を全て見ることができたのはよかったと思います。

EJCガラショー

毎年ヨーロッパのどこかで行なわれているEJCのメインイベントと言えるショーです。コンベンション本体とは別に料金が設定されているため、一般の観客が見ることも可能です。

2016年

2016年8月5日(金) 21:10~22:45
会場はEJC敷地内のガラテントと呼ばれるテントに設営されたステージで、客は前方の板張りの床に直接座るか後方の椅子に腰掛けるかすることになります。自由席なので私は開演の1時間半前から並んで前方の席を確保しました。
出演者は順に

  1. マーテン・ファン・ラウト、ヤスマイン・ヤンセン、マルコ・ボニシモ
  2. エミール・ダール
  3. ジェトン
  4. アレクサンドラ・ソヴォリエヴァ
  5. アルヤン・フローネンダイク
  6. カンパニー・ラスース
  7. バート & フレッド
  8. チェスレンコ兄弟

で、8組15人でした。
司会者がいて演者を順番に紹介していくのですが、誰が出演するのか秘密だったようで、特にトリのチェスレンコ兄弟が呼ばれたときにはどよめきが起きました。そのチェスレンコが素晴らしく、クラブカスケードをしながら他のメンバーの頭の上を歩くパフォーマンスも見ることができました。最後の高速リングをキャッチする技も、思っていた以上に速くて驚きました。
エミール・ダールは、磁石付きクラブを鉄の棒にくっつけて揺らしたり回したり滑らせたりと、いくつものアイデアが登場して面白かったです。2人組のカンパニー・ラスースは、1人がカスケードしているところをもう1人が通り抜けるという斬新なものでした。あと、バート & フレッドはメイン演目のワシントントラピスの前にも登場していて、一発ネタの危険術を3回ほど披露していたのがよかったです。

ジョングリッシモ

IJAチャンピオンシップで優勝したこともある2人を含む5人のチームです。LEDで光るクラブによるパフォーマンスが有名ですが、それだけでなくプロジェクションマッピングなどの映像も駆使した芸術的なショーを売りにしています。

2016年「QBS」

2016年8月3日(水) 19:35~20:40
会場はEJC敷地内のガラテントと呼ばれるテントに設営されたステージで、客は前方の板張りの床に直接座るか後方の椅子に腰掛けるかすることになります。自由席で、開演間際に行ったら椅子席のしかも後ろの方しか空いていませんでした。
演目は順に

  1. クラブ(金属的演出)
  2. リング対決
  3. グロークラブ(色の調和)
  4. バランスボール
  5. クラブ万華鏡
  6. ディアボロ
  7. グローリング
  8. グロークラブ(残像)

でした(演目名は適当)。
リング対決では1人のジャグラーが隣の映像と対決するというもので、ジャグラーが落とすと映像が馬鹿にして笑うという演出が見事でした。バランスボールは2~8個で、ボール同士を映像の直線で繋ぎ、ボールが増えるに従って映像が三角形、立方体、……と変化していくのが面白いです。
そして何と言っても圧巻は最後のクラブの演目でした。投げたクラブが残像としてスクリーンに表示されるのですが、それがものすごいスピードで流れていきます。予め用意してあった映像なのか、リアルタイムに出現したものなのか。いずれにせよ全く新しい世界を見せてくれたように思いました。

ドーナツライブ

京都大学を中心としたジャグリングサークル「ジャグリングドーナツ」が、年に一度行なう学外発表会です。有料で定期公演を行なうサークルは他になく、これを見るためだけに全国から多くの人が足を運びます。

2001年

2001年4月20日(金) 19:30~21:20
私が初めて見に行ったドーナツライブです。前年に始まってこれが2回目のはずですが、前回の評判がよかったことと他に大阪へ行く用事もあったため、有給休暇を取って行ってきました。
公演の様子は販売されているドーナツライブ2001のビデオで見ることができます。出演者、演順などもビデオレビューにある通りでした。
ステージは、各演目の完成度が高くてすごかったです。今の日本でジャグリングを中心としたステージを構成した場合、これを越えることのできるサークル・団体は存在しません。

2002年

2002年4月20日(土) 19:00~20:30
今年のドーナツライブは土曜日だったため、東京から4人ほどで見に行きました。
ライブは2部構成で、前半は「時計」をテーマに、ジャグリングを中心としたオムニバスになっていました。ストーリーと言えるほどのものはないけれど、全体に一貫性があり、演目間の繋ぎもスムーズで1つの世界を作り上げることに成功していました。前半が終わって休憩に入ったときには、何かやばいものを見てしまったような気がして、ただ呆然と座っていました。しかし後半はありふれたジャグリングの発表会で、安心したようながっかりだったような……。レベルは間違いなく国内トップクラスなんですが。
公演の詳しい内容などはドーナツライブ2002のビデオを参照してください。

2003年

2003年5月10日(土) 19:00~19:50
去年までと比べると小さなホールで行なわれました。聞いた話では第1回を開催したのがこのホールだったとか。去年までは1回だけの公演でしたが、今年は土日で計3回の公演があり、これがその1回目です。130ほど用意された座席が埋まって立ち見客もいる盛況ぶりでした。
出演は

  • 小林智裕
  • 喜安佑吾
  • 佐々木圭太
  • 岩津智永
  • 平野喬博
  • 椎名宏徳
  • 渡邉彰

で、ダブルヘッダーとかもあって演目数は9だったと思います。
今年は出演者が少なく短い構成で、各自がやりたいことをやってその間をうまく繋いだ感じでした。「路地裏の住民たち」というテーマはありますが、ストーリーがあるというほどではありません。驚くような技あるいは演出もほとんどなくて、全体としてジャグリング入門的なステージだったと思います。帽子の佐々木がちょっとよかったぐらい。
ドーナツライブはいつも暗転が少ないのがいいです。

2005年

2005年4月30日(土) 14:00~15:00
去年は仕事の関係で見にいけなかったため、2年ぶりのドーナツライブになりました。一昨年と同じ場所で座席数も料金も同じです。今回はこの日のみ、昼夜の2回公演でした。
出演は

  • アキト
  • 桑野浩
  • 猿田晋也
  • 上野浩生
  • 篠田貴志
  • 小林智裕

の6人で演目数はエンディングを入れて8でした。
印象に残った芸人はノリノリ☆シンガー役の上野と、光輪IIを演じた小林です。前者は自分に酔った歌手が3クラブをしているようなキャラクターがうまく出せていました。後者は1~6リングで、目新しい技がいくつか見られたのがよかったと思います。
全ての芸人が決め技で失敗したのが残念ですが、総じていいものを見せてもらった気がしました。

2006年

2006年5月4日(木・祝) 15:00~16:00
会場は去年より広いホールで200席以上ありました。昼夜2公演あるうち私が見たのはマチネで、こっちの方が混んでいて予約段階でチケットが完売したらしいです。
出演者は

  • 今西正起
  • 浅野雄太
  • 早木清吾
  • ウェィタォ
  • 高橋孝太郎
  • 植田康浩
  • 近土祐
  • 桑野浩

の8人で、演目数も8でした。
これは面白い。技術的にずば抜けてるわけでは決してないし、ドロップも結構多かったものの、ジャグリングが本来持っているすごさや楽しさを存分に見せてくれたと思います。ここはバーであるという設定でうまくまとめられており、ルーティンの途中もその繋ぎ部分でも一瞬たりとも破綻することがありませんでした。
ドーナツライブでは久しぶりに1人スタンディングオベーションをしました。暗転はないし、伏線は張られているし、舞台上に誰もいなくなった瞬間にさえ意味がありました。大げさに客にアピールをしなくても、客の意識をひきつけることができていたのも素晴らしいと思います。

2007年

2007年4月28日(土) 15:00~16:10
昼夜2公演あるうち私が見たのはマチネの方でした。
出演者は

  • 浅野雄太
  • 金川典正
  • 迎田祐輔
  • 栗崎雅也
  • 高橋孝太郎
  • 岩嶋亮太
  • 菅原弘貴

の7人で、演目数は8でした。
これはすごい……。今までに見たドーナツライブの中でも一番よかったと思います。ストーリーはあるようでなく、ジャグリングも唐突に始まりますが、それに全く違和感を覚えません。各芸人がためらうことなく自分のキャラクターを演じていたのがよかったです。
演出面でも随所に工夫が見られ、2人でのデビルスティックや薄暗がりの中でのグローポイなど、ありそうでなかなかないいいアイデアだと思いました。
技術的なレベルは高く、各芸人が1ミスずつぐらいで、要所はきっちり決めるし非常に安定しています。大技の前に客に手拍子を求めるなど余裕すら感じられ、まるでプロの公演を見ているようでした。終わった後はもちろん1人スタンディングオベーションをしました。

2009年

2009年5月9日(土) 14:30~15:30
2年ぶりに見たドーナツライブは、昼夜2公演あるうちマチネの方でした。
出演者は

  • 伊藤洵太
  • 上野千尋
  • 上森真広
  • 久保悠一郎
  • 鳥羽哲也
  • 高田康穂
  • 奈部夏姫
  • 松岡佳大
  • 山本有希子

の9人で、演目数も9でした。
舞台設定はあるもののストーリーは特になく、突然ジャグリングが始まるところや、個々のパフォーマーの技術レベルや完成度が高いことなど非常にドーナツライブらしい公演です。ところどころミスはありましたが全体としては満足のいくステージでした。
個別の演目ではシェイカーカップの男性とデビルスティックの女性がよかったと思います。シェイカーはそれ自体珍しい上に、頭の後ろ(しかもノールック!)やダブルピルエットなどシェイカーにしては珍しい技がたくさんありました。デビルでは、衣裳などからは想像できないようなスピードと技で驚きました。デュアルプロペラも安定してましたし。

2010年

2010年5月8日(土) 14:30~15:40
日程、会場、昼夜2公演などが去年と同じで、私が見たのはマチネでした。
出演者は

  • 伊藤洵太
  • 上野千尋
  • 河村崇博
  • 柴山健次
  • 松田顕也
  • 白井涼
  • 田邉統
  • 鳥羽哲也
  • 橋本涼太

の9人で、演目数は8でした。
今年のドーナツライブも舞台設定はあるもののストーリーは特になく、突然ジャグリングが始まるという方式でした。それ自体はいいと思いますが、みんな同じように始まって同じように終わり、ポーズの時間が無駄に長いというのが気になりました。
個々の演目ではミスもあり荒削りな感じもありましたが、逆に新鮮な驚きもあったのでよかったと思います。例えばデビルスティックの片手ソー & ハンドスティック逆回転とか、帽子の下から上へのフルアームロールとか、クラブの3アップ3段階ピルエットとか、2人同時かつ瞬時に色を変えるシガーボックスとか。

2011年

2011年5月7日(土) 14:30~15:30
日程、会場、昼夜2公演など去年と同じで、私が見たのも去年と同じマチネでした。
出演者は

  • 今村拓道
  • 金森涼介
  • 白井涼
  • 薗部優大
  • 蜂須賀真一
  • 山上大貴
  • 山崎史

の7人で、演目数も7でした。
今年も舞台設定はあるもののストーリーは特になく、突然ジャグリングが始まるという形式でした。全体的にミスが多くて印象はあまりよくありません。
テーマは「驚き」ということですが、一番驚いたのはシェイカーカップが終わったと思わせてもう1ルーティンあったことでした。後半の高速ルーティンはかなりよかったです。他によかったのは、シガーボックスの斜めのデザインとクラブ3本をノブでひっかけて回す技ぐらいでした。

2012年

2012年5月5日(土・祝) 14:30~16:00
昼夜2公演のうち私が見たのはマチネの方でした。
出演者は

  • 大林祐樹
  • 文田了介
  • 斉藤弘樹
  • 中村洋平
  • 富山玲子
  • 吉安勇人
  • 中西一史
  • 山下耕平
  • 尾納宗仁
  • 谷口貴昭
  • 吉永裕紀
  • 加藤直樹

の12人で、10演目と、全員によるエンディングがありました。
美術館にある3枚の絵を紹介するという筋立てで公演全体を強引に3分割するというアイデアが意外とよく、唐突にジャグリングが始まる不自然さを緩和していました。芝居をする時間が短くなったこともプラスに作用しています。映像を使うという新しい試みもよかったと思います。マイナス要因として、暗転が長かったこと、絵のチェンジが遅いこと、盗んだ絵が明らかに小さいこと、エンディングが長すぎることなどが挙げられます。
個々の演目では動きの大きな3ボールが斬新でよかったものの、色や照明の関係で見づらかったこととミスが多かったことが惜しまれます。デビルスティックの、通り過ぎたセンタースティックを呼び戻す技などもよかったです。

2013年

2013年5月4日(土・祝) 14:30~15:30
昼夜2公演のうち私が見たのはマチネの方でした。
出演者は

  • 安見光平
  • 永井智隆
  • 三角健
  • 奥野恭兵
  • 阿部順道
  • 岡崎総一郎
  • 宮本浩市
  • 打田凌馬
  • 豊田真希

の9人で、8演目と、最後の演目の前にエンディングっぽいものがありました。
3部構成で第1部は3人の演者によるドタバタ喜劇、第2部は特にストーリーのない3人の動きを見せていました。第3部では第1部と第2部に出演の計6人が登場し、それぞれの動きを繰り返すと、無関係に思われた2種類の動きが意味を持って重なるという見事なアイデアでした。あっけに取られていると次のボールチームの準備が完了するという、畳み掛けるような演出も素晴らしかったです。
個々の演目ではボールチームの、何が起きているのか分からない、どこを見ればいいのか分からないような複雑な動きやパターンがよかったと思います。4シガーの両外抜き大回転にも驚きました。

2016年

2016年5月4日(水・祝) 18:30~19:40
個人的には3年ぶりのドーナツライブで、昼夜2公演のうち私が見たのはソワレの方でした。360ある座席のうち6割ぐらいしか埋まっていない感じです。
出演者は

  • 木村匠汰
  • 大塩佑人
  • 貫井洋介
  • 矢口純
  • 加藤諒
  • 鈴木拓弥

の6人で、全てソロの6演目がありました。
舞台上に設置してある自動販売機で買った物を飲むと体に変化が現れてジャグリングができるようになる、という無理やりな設定でした。最初の2人はその強引さが気になったものの、次に出てきた清掃業者役の3人が強引さに拍車をかけていて、そこまでやるとかえって違和感がなくなりました。
個々の演目では貫井の、3ボールでボディーバウンスを多用したルーティンが面白かったです。矢口は JJF2015 チャンピオンシップの優勝者ですが、その最初から最後まで2本を使うデビルスティックもよかったと思います。
全体にミスが多かったことや、後ろのスクリーンを使った照明がうるさいのが残念でした。長すぎるエンディングも含めて、ドーナツライブらしいと言えばドーナツライブらしい公演でした。

ホップステップぱさーじゅ

東京・電気通信大学のジャグリングサークル「ぱさーじゅ」の学外自主公演で、2004年から毎年5月に行なっているようです。公共のホールを借りているためか、入場無料となっています。

2005年

2005年5月1日(日) 13:30~14:30
会場はパイプ椅子を160ほど並べた小ホールで、全席自由。2回公演のうち私が見た1回目の入場者は60人ほどでした。子供が大勢来ていました。
演目は順に

  1. 3ボール
  2. コンタクトボール
  3. デビルスティック
  4. シガーボックス
  5. パントマイム
  6. ポイ
  7. バウンスボール

でした。
最後のバウンスボールがちょっとよかったです。ピアノの鍵盤にボールを弾ませると音が鳴るというネタですが、音はすぐ横にいる人が実際の鍵盤を弾いて鳴らしていました。バウンスに失敗してボールが転がったときもちゃんとその音を鳴らしていたのが面白い。
ステージ全体は1つの物語のように進行していき、クレヨンという道具を媒介としてまとめられていました。しかしそういった体裁を取り繕う前にしなければならないことがある、と思いました。内輪の発表会であれば自分のやりたいことをやって終わり、というので構いませんが、関係者以外にも見せられるステージを目指しているのであれば、個々人が客の存在をもっと意識する必要があります。

2007年

2007年5月12日(土) 17:00~17:50
会場は小ホールで、パイプ椅子が120ほど並べてありました。全席自由。2回公演のうち私が見た2回目の入場者は60人ほどで、関係者ではなさそうな親子連れも目立ちました。
演目は順に

  1. ディアボロ
  2. シガーボックス
  3. クラブ
  4. けん玉
  5. デビルスティック
  6. 3ボール

でした。
前回見たときよりは随分よかったと思います。6つの演目が「カード」をテーマにしてまとめられ、それにオープニングとエンディングもありました。演目ごとに前座があるのが新しく、それが効果的かどうかは別にして面白い試みだと思いました。
各演目に驚くような技はありませんが、ドロップが少なく安心して見ていられました。中でもクラブの糟谷朋広とデビルスティックの斎藤淳がよかったです。
大道具や映像も作ってあり、この公演のためにしっかり準備してきたことがうかがえます。ただ、演技やバックダンスが中途半端だったりして客を乗せきれない、盛り上げきれないというのが残念でした。エンディングも、本編の内容および時間に対して長すぎると思います。

2009年

2009年5月12日(土) 13:00~13:40
会場はこれまでと同じで全席自由です。2回公演のうち私が見たのは1回目で、入場者は70人ほどでした。
演目は順に

  1. ボール(3)
  2. ディアボロ
  3. スタッフ
  4. クラブ
  5. デビルスティック
  6. ボール(3,4,5)

でした。
ドーナツライブを意識しているのか、今回たまたまそうなっただけなのかは分かりませんが、構成が非常にドーナツライブっぽかったです。舞台設定はあってもストーリーは特になく、突然ジャグリングが始まるところとか、演技が中途半端なところとかも。ドーナツライブに似ているとドーナツライブと比較されるので、もう少し別なやり方を考えた方がいいんじゃないかと思いました。
ジャグリングの内容はよかったと思います。ドロップが結構あったはずですがあまり気にならず、ときどきハッとするような技もありました。各芸人がステージ慣れしている様子で、自分自身が楽しんでる上にそれを観客にもアピールできていました。
客席がフラットなため、後ろの方からでは足元で行なわれる演技が見づらい点が少々残念でした。

2011年

2011年5月21日(土) 17:00~18:00
会場はこれまでと同じで全席自由席でした。2回公演のうち私が見たのは2回目で、入場者は100人以上いたでしょうか。今までこんなに客が入ったのを見たことがありません。
演目は順に

  1. シガーボックス
  2. ディアボロ
  3. ボール(3)
  4. デビルスティック(1,2)
  5. ディアボロ・クローズドストリングス
  6. デビルスティック・バランス
  7. クラブ・ペア(3,4)

でした。
今回のテーマは「タイムワープ」ということで、江戸時代に行ったりアメリカの西部開拓時代に行ったりしていました。ストーリーらしきものはありますが、結局ジャグリングは突然始まりますし、大した舞台装飾もないですし、演技は見ていられないレベルなので、物語仕立にするのはやめた方がいいでしょう。本人達がやりたくてやってるのであれば、ジャグリング以外の部分の勉強や練習をもっとすべきかと思います。
ジャグリング自体は、全体的に無理をしない感じでよかったです。特にクラブ・ペアの大平道介と前尾友紀子は3~4本だけで構成した分工夫が見られましたし、やっていて楽しそうでしたし、2人の身長差まで生かされていたことには感心しました。
デビルスティックの楡井泰行のバランスのみのルーティンは、アイデアとしては面白いもののそこまででした。パフォーマンスとして見せるにはあと一歩必要だと思います。

2013年

2013年5月25日(土) 13:00~14:00
会場はこれまでと同じで全席自由席です。2回公演のうち私が見たのは1回目で、客席のかなりの部分は埋まっていました。今回の公演が10回目になるため、ぱさーじゅOBが増えてきたことも観客増の要因だと思われます。
演目は順に

  1. デビルスティック・ペア(1,2)
  2. ボール(3)
  3. ディアボロ
  4. デビルスティック
  5. ハット(1,2,3)
  6. シガーボックス(3,4)
  7. ディアボロ・クローズドストリングス
  8. クラブ・チーム(4人、12)

でした。
今回のテーマというかストーリーは本の世界で、本の中の世界に入っていったり戻ってきたりします。「何の本なのか」「どんな世界なのか」といった説明は一切なく、単に場面転換の道具として使われているだけでした。しかしそのことはマイナスどころか逆にプラスで、下手に演技をしなかったから安心して見ていられました。演技が少ない分だけジャグリングの割合が大きく、ジャグリング自体もステージ全体も楽しめました。天使が出てきて道具を渡していくのも、意味不明ながら面白かったと思います。
個々の演目ではオープニングのデビルスティック・ペアの Fabs (宮川大和、白崎雅明)がよかったです。演者が道具で遊んでいるうちにBGMが変わり、そのまま演技に入るという流れが非常にスムーズで違和感がありません。ハンドスティックの交換やバランス技が多いというのは珍しいですし、決めポーズのときの自然な笑顔も素敵でした。
あと、ハットの高橋拓也の、最近はあまり見ないハットとボールのルーティンなども面白かったです。ただ、欲を言えば3ハットでもボールを使ってほしかったところですが。

2014年

2014年5月24日(土) 13:00~13:45
会場はこれまでと同じで全席自由席です。2回公演のうち私が見たのは1回目で、客は60人ほどだったでしょうか。
演目は順に

  1. ディアボロ・ペア(1,2,3)
  2. ディアボロ
  3. ポイ(1,2)
  4. デビルスティック
  5. クラブ(3,4)
  6. ボール・ペア(3,4,5)
  7. ボール(3,4,5)

といった感じで、途中で一瞬だけ人数が増えたりもしていました。
今回はテーマもストーリーもなく普通にオムニバス公演でした。何となく案内人がいて、ステージ全体に何となくまとまりがありました。出演者が少なかったので演目数も少なく、ステージ時間も短めでした。
あまり発展性はなさそうですが、ディアボロのバウンスパスがちょっとよかったです。ディアボロやボールなど同じ道具が続く構成もそれはそれでよかったと思います。
ジャグリング的に注目すべき技はあまりありませんでしたが、ショーとして観客を楽しませることはできていました。ダイナミックな動きをする演者が多く、特にポイの前田賢太郎の自信過剰な演技が素晴らしかったです。これに技術が伴えば文句なしだと思いました。

2015年

2015年5月23日(土) 17:00~17:50
会場はこれまでと同じで全席自由席です。2回公演のうち私が見たのは2回目で、小ホールに並べられた250ほどの客席のうち半分ぐらいが埋まっていたでしょうか。
演目は順に

  1. ディアボロ・ペア(1,2)
  2. デビルスティック
  3. ディアボロ
  4. デビルスティック(1,2)
  5. リング(1,2,3)
  6. ディアボロ
  7. ポイ(1,2)
  8. バウンスボール(3,4,5)

でした。
最後のバウンスボールの前にカーテンコールらしきものがあって「ジャグリングの公演なのにボールもクラブもないのか!?」と衝撃を受けていたら、一応ボールの演技がありました。
今回の舞台は洋装店で、なぜか魔法使いが住んでいて悩みを解決してくれるという設定です。しかしストーリーは意味不明で、演技は中途半端で、唐突にジャグリングが始まるという昔のスタイルでした。このスタイルで見せられるレベルに持っていくには練習量が足りなすぎるから止めた方がいいでしょう。
ジャグリング自体は、リングの上坂太一が簡単な技しかしない中できっちりとルーティンを作っていたところとか、デビルスティックの徳川亮祐のデュアル・アイドリングからの一連の技とかがよかったと思います。

2016年

2016年5月28日(土) 13:00~13:45
会場はこれまでと同じで全席自由席です。2回公演のうち私が見たのは1回目で、小ホールに並べられた150ほどのパイプ椅子のうち半分ぐらいが埋まっていたでしょうか。
演目は順に

  1. ボール(2,3)
  2. クラブチーム(3,4)
  3. ディアボロ
  4. デビルスティック
  5. ディアボロ
  6. ヨーヨー
  7. ボール(3)

でした。
今回は「不思議の国のアリス」をモチーフにしたミュージカル(!)です。そして驚いたことに面白い。主人公で、物語の案内役でもあるアリスを演じた小永井翠の演技力によるところが大きいものの、他のメンバーも堂々としていましたし、舞台転換も速く、ミュージカルの文法をちゃんと押さえた素晴らしいステージでした。
途中で唐突に始まるジャグリングも違和感はなく、長いエンディングも特に気になりません。歌の力で有無を言わさず持っていく強引さがかえってすがすがしかったです。
一方、ジャグリングに関しては特筆すべきものはありませんでした。この年は演技主体にしたためか技のレベルを抑え、ボールやクラブは個数を減らし、全体に無理をしないルーティンにしたようです。にもかかわらず、どの演目もドロップが多かったのが残念でした。
公演が調布駅前で無料で行なわれることもあり、地元の一般客が結構います。今回の試みはそういった場での発表会のモデルケースになりうると思いました。ジャグリングの完成度さえ高くなれば、このまま地域のイベントに呼ばれてもおかしくないでしょう。ぱさーじゅには、他のサークルの発表会との差別化という意味でもこの路線を追求してほしいと思います。

2017年

2017年5月27日(土) 13:00~13:50
会場はこれまでと同じで全席自由席です。2回公演のうち私が見たのは1回目で、小ホールに並べられた150ほどのパイプ椅子のうち半分以上が埋まっていたと思います。
演目は順に

  1. シガーボックス(3,4)
  2. ディアボロ
  3. デビルスティック
  4. ボールチーム(3,4,5,6)
  5. ディアボロ
  6. 帽子(1,2,3)
  7. シガーボックス + デビルスティック
  8. ボール(3,4,5)

でした。
今回は「色と感情」というテーマらしいですが、それぞれの出演者は大して演技をするわけでもなく、意味不明な演出に続いて普通にルーティンを披露するだけでした。それなら単に司会が演者や道具を紹介した方がいいのではないかと思います。
ジャグリングはレベル的にはそれほどでもなかったものの、シガーボックスの任三郎はバランス技を中心にしたルーティンが珍しく、ボールチームの橋本理公と杉野惠祐は少ない個数で魅せる演技が面白かったです。

ポッサムライブ

千葉大学のジャグリングサークル「ポッサム」のステージ公演で、2006年から行なわれているようです。大学内の300席ほどある設備の整ったホールを使用し、入場無料となっています。

2008年

2008年4月13日(日) 15:00~15:50
入場者は100人ほどで全席自由でした。客層は学生が多いようですが親子連れも何組かいました。
演目は順に

  1. 3ボール
  2. デビルスティック
  3. シガーボックス
  4. リング
  5. ポイ
  6. ディアボロ

でした。
公演はストーリーらしきものの中にジャグリングの演目が散りばめられるという、よくある形式です。全体的に屋内ステージに慣れていない印象を受けました。技術的な問題もさることながら、表情や動きが硬いとか、ジャグリング以外の演技を早く終わらせようとしているとか、出捌けがスムーズではないとか、暗転が多くて長いとか、そういったことが色々と目に付きました。
ただ、それらは何度か経験して後輩にノウハウを伝えていけばよくなっていくことなので、今後も頑張ってライブを続けて欲しいと思います。

ディベルタ

慶應義塾大学および早稲田大学のジャグリングサークルのメンバーによって企画された、ジャグリングだけの公演です。会場は来往舎というガラス張りの建物1階のオープンスペースに設けられた特設ステージでした。

2008年

2008年10月25日(土) 14:00~15:00
金土の2日間にわたって行なわれましたが、私が行ったのは2日目でした。開演15分前に着いたら客が1人もいなくて、どうなることかと思いました。最終的には30人ぐらい来たと思います。
内容は普通の発表会で、演目は順に

  1. ボール
  2. シガーボックス
  3. デビルスティック
  4. クラブ
  5. ヨーヨー
  6. ディアボロ

でした。2人の司会が進行役を務めていました。
藤井啓のヨーヨーや齋藤哲範のディアボロなど、個々のルーティンにはいいものもありましたが、全体練習をしていないようで、まとまりのない緩いステージでした。

2011年

2011年10月19日(水) 18:50~19:40
水木という平日の2日間だけ行なわれました。私は1日目しか行けなかっため、急いで会場に向かったのですが開演時刻に間に合わなかったのが残念です。満席で立ち見までいたことに驚きました。
私が見ることのできた演目は順に

  1. デビルスティック
  2. アニメーションダンス
  3. ボール
  4. ディアボロ
  5. 手品
  6. シガーボックス
  7. ヨーヨー
  8. ディアボロ

でした。司会が各パフォーマーの紹介をしていました。
会場のステージは屋内なのに妙にだだっ広く、さらに明るい照明が出演者的にはやりにくかったのではないかと思われました。みんなできが悪かったです。

早稲田学生文化・芸術祭

早稲田大学の学生による発表会で、毎年2週間ほどの会期中に色々なサークルの発表が行なわれます。会場は大学内の講堂で1000以上の座席を有しています。
1日でいくつかのサークルが出場するオムニバス公演の一部として、同大学のジャグリングサークルであるインフィニティが出場しています。サークルごとに幕の上げ下げがあって幕間に10分以上の休憩があり、そのタイミングでしか入退場できないため、それぞれが独立した公演となっています。

2013年

2013年6月16日(日) 15:50~16:30
客は早稲田の学生が多く、前のサークルを見た後にそのまま残ってる人もいて、ジャグリング関係者ばかりでもなさそうでした。
インフィニティの持ち時間は40分ですが、その中でさらに6チームに分かれていて、暗転を挟んで全く別の演目が行なわれるというスタイルでした。それぞれの演目のタイトルは、

  1. 西島劇場
  2. Regiment
  3. 野球
  4. jugleet
  5. バスケットにつめこんで
  6. Get the C

となっていました。
サークルとしての統一感はなく、1つの道具だけのチームもあればみんな違う道具を使うチームもあり、演劇仕立てもあればダンスっぽいものもありました。司会などは登場せず、説明も一切ありません。
これを見て思ったのは、仲間内の人以外にも見せるつもりなら見る側の視点を持ってほしいということです。下手な演技はしなくていいし、うるさい照明はない方がいいし、チームとしての練習をすべきだし、もっと客を意識するべきです。今後もこういった公演を重ねることでよくなっていってくれると嬉しい。

チャンネルppqp

電気通信大学ジャグリングサークル「ぱさーじゅ」の関係者によって企画された公演です。「ジャグリングステージ」と銘打っているものの、普通のジャグリングのステージとは違って技術的に高度なことはしません。ジャグリングの周辺にある道具、装置、アイデアなどに基づいて構成されています。

2010年10月30日(土) 17:00~17:50
会場は客席が100ほどの小劇場ながら設備は整っている感じです。全席自由で50人ぐらい入っていたでしょうか。
内容は

などの細かい演目を並べて全体の雰囲気を統一させていました。基本的に無言ですがときどき喋ります。手間取ったり失敗したりしたときの独り言(?)がよかったです。
1つ1つの演目について、考えていることは面白いですが、それに完成度や見せ方が伴っていないのが惜しまれます。ただ、それらは同じような公演を何度か続ければうまくなるので、今後も頑張ってほしいと思いました。
演目間の繋がりがスムーズで、公演全体に流れがあった点はよかったと思います。

ルーチンワーク

電気通信大学ジャグリングサークル「ぱさーじゅ」の関係者によって企画された公演です。チャンネルppqp のメンバーと重なっているようで、ppqp の続編のような位置付けです。

2014年4月13日(日) 14:00~15:00
土日の2日間あった公演のうち私が見たのは2日目の方です。100ほどある座席に対して観客は50人ほどでした。全席自由。
出演は全部で9人で、ジャグリングの演目には

がありました。全てソロ演目です。
演目間の繋がりがスムーズで、各演目の前後に小ネタを挟んでいたのがよかったです。それぞれのジャグリングは、変わった技がときどき見られるもののまあ普通でした。それよりも前後の小ネタや喋りの方が面白かったです。いっそのことそういったネタを突き詰めていった方がいいんじゃないかと思いました。
例えばスクリーンに映し出した画面でチャットするアイデアはいいので、その後普通に3ボールをするのではなく、ボールパスの3アラウンドをしながらチャットを続けたらよかったんじゃないかと思います。他にも電波状態をクラブパスで表すのも面白かったし、ppqp のころからやっているポイを使った造形には一日の長があります。
同じメンバーでまた公演してほしいと思いました。

堀の外のジャグリング

プロのジャグラーを中心にして、ジャグリングの新しい可能性を探るべく企画された公演です。主催はハードパンチャーしんのすけ。「道具は1人1種類のみ、10分以上」という制約に基づいて作られた作品のオムニバスとなっています。
本筋とは関係ないものの、入場者全員に軽食のサービスがあるのが珍しい。「飲み食いしながら見てくれ」という精神が私は好きです。芸人たるもの、飲み食いしてる客の手を止めさせるパフォーマンスができなければダメだと思うからです。

2006年

2006年6月24日(土) 15:30~17:20
会場は門前仲町にある門仲天井ホールで、100人入れるかどうかという小さなスペースでした。私が見たのはマチネで、前売2500円の自由席です。当日券で入って立ち見の人も何人かいました。
出演は

  • じぇ~むす今川
  • chie
  • マジカルTOM
  • 鶴岡アキラ
  • ひぃろ
  • 江草啓太
  • 目黒陽介
  • SOBUKI
  • 矢熊進之助

の9人でした。
斬新な企画は素晴らしいと思いますが、各芸人がそれを消化しきれていないのもまた事実でした。10分という、1種目としては長い時間をみんな持て余していたように見えました。本当の意味での結果を出すには同じテーマで多くの経験を積む必要があるでしょう。そうして初めて「堀の外」に出られるのだと思います。

2007年

2007年6月16日(土) 14:00~15:30
今年は金土の2日間で計4公演が行なわれたようです。私が見たのは土曜マチネで、前売2500円の全席自由でした。
出演は

  • ひぃろ
  • オオツカタカシ
  • CHIKI
  • ジャグラーテル
  • 矢熊進之助
  • 目黒陽介

の6人に、チクリーノが司会をしていました。
10分をフルに使って1作品を演じるには全体を貫く物語が必要なんだと思います。その意味ではジャグラーテルの「変身」がいい線いってましたが、物語を消化しきれていない感じでした。それ以外の人たちは結局2作品を演じることで対処していました。
オオツカタカシの1ディアは久しぶりに「はっ」とするルーティンで、私はこういう曲ピタなのが好きなんだということを改めて認識しました。CHIKIのパントマイムはゆっくりした動きですごい。目黒陽介の前半はステージでしか実現できない光を使ったパフォーマンスで、野心的でいい試みですが誰でも思いつく範囲を脱していない気がします。後半の3ボールはとてもよかったです。

2008年

2008年6月28日(土) 14:10~16:00
今年は会場を深川江戸資料館小ホールに移し、金土の2日間で計3公演が行なわれました。私が見たのは土曜マチネで、前売2800円の全席自由でした。230ほどある客席の半分は埋まっていたと思います。会場が変わったため軽食のサービスがなくなってしまったのがやや残念です。
出演は

  • SOBUKI
  • サリバン & NoB
  • 小林智裕
  • ながめくらしつ
  • on-sa

の5組10人に、司会・口上として舞丸が人形遣いと幕間のネタを披露していました。
毎年出演者が変わっているから単純な比較はできませんが、時間の使い方が段々うまくなってきているように思います。複数の作品を演じる場合でもそれぞれを明確に区切るのではなく、なんとなく繋がりを持たせている人が多かったです。
個別で一番よかったのはハードパンチャーしんのすけと chie のユニット on-sa で、ここで初めて見ることができました。chie さんのパフォーマンスを最後に見たのはJJF2006チャンピオンシップだと思いますが、当時は「自分が楽しい」というスタンスだったのに対して、今は客を巻き込んで「全員が楽しい」という方向に持っていくことができています。表情も動きも劇的に変わりました。小道具(大道具?)の枠の使い方もうまく、今後注目すべきユニットだと思いました。
ながめくらしつのメンバーは目黒、松田、池部、小春の4人でした。

門仲ジャグリングフェスティバル

堀の外のジャグリング」の代わりに、同じ時期に同じメンバーにて企画された公演です。期間が長く、日替わりで違う演目が行なわれるなど「堀の外」をグレードアップさせた形になっています。

2009年6月20日(土) 19:30~20:45
5日間にわたって行なわれた公演のうち、私が見たのは「ジャグリング×ナンセンス "マナー & エチケット"」と題された演目のみです。前売2500円の自由席でした。
内容は「マナー & エチケット」をテーマとした短いナンセンスコメディーをジャグラーたちが次々と演じていくオムニバスで、出演は桜子、SOBUKI、ひぃろ、ボンバングー(進藤一宏)の4人です。
全部で15のシーンがあり、それぞれにタイトルが付いていました。

  1. 「極道・前編」
  2. ジャグリング×会社員
  3. ジャグリング×アイドル
  4. ジャグリング×紳士
  5. ジャグリング×カップル
  6. ~来賓~
  7. 世界初のショウ☆
  8. イメージというもの
  9. 我らがヒーロー
  10. 上流階級のエチケット
  11. パンデミック
  12. 「極道・後編」
  13. ニュース
  14. 隔離
  15. ラストショウ☆

雰囲気としては学園祭のステージに近い感じですが、さすがにそこはプロです。衣裳や音楽、映像がしっかりしているし、個々のジャグラーの技術は言うに及びません。この手の公演には珍しく作・演出は吉田衣里という別の人が行なっているためステージに一貫性もありました。
全体的に小ネタの宝庫、というか小ネタだけでできていました。それっぽい衣裳とそれっぽい音楽で「ダーライラーマ!」と叫べばチベットだと言い切ってしまうような適当さが素晴らしい。ネタの区切りに暗転が多用されていたのは少々残念でした。

王子ジャグリングナイト

主に王子駅前にあるショッピングセンター「サンスクエア」の3階パーティールームで行なわれる、ジャグリングを中心としたオムニバス公演です。
前身(?)の門仲ジャグリングナイトが平日に行なわれていたのに対して、王子は基本的に土曜日開催なので行きやすい。逆に門仲が月1回だったのに対してこちらは不定期で、気付くと終わっていることもあるので注意が必要です。

2013年 第3回

2013年11月30日(土) 16:00~17:30
2回公演があるうち私が見たのは1回目で、前売2000円の全席自由席でした。座席が40ほどしかなく、早い時間から埋まっていたため私は最後列の端っこの席で見ました。
出演は順に

  1. たけちゃん・しんちゃん
  2. ながめくらしつ(リング、ボール)
  3. YAYA
  4. チャタ
  5. ひぃろ
  6. ながめくらしつ(ボール)
  7. おじゃるず
  8. コータロー

です。
司会および道具の片づけをハードパンチャーしんのすけが担っていました。開演前から客を相手に色々しゃべっていたのが非常によかったです。
ながめくらしつのメンバーは目黒、YURI、宮野の3人。YAYAを見るのはJJF2010チャンピオンシップ以来です。その2組と最後のコータローがジャグリングで、その他はジャグリング道具を使ったネタなどでした。
会場はパーティールームというだけあって周囲はガラス張りで外が見え、ステージから客席までフラットな床で、天井も低く、開演時には西日が差し込む状態でどうなることかと思いました。公演自体はそれなりによかったですが、後ろの席で見ていると腰から下で行なわれる動きはほぼ見えず、シガーボックスなどは厳しいものがあります。

シルク・バスカーズ・カンパニー

色々なジャンルのパフォーマー(主に大道芸人)によって結成された団体です。その彼らが、大道芸以外の新しい表現を作ろうということで始めた舞台公演です。

nose

2008年3月20日(木・祝) 14:10~15:30
雨にも関わらずたくさんの人が見に来ていて、狭い会場には100人以上が詰め込まれていました。客層は家族連れが多かったようです。
出演は

  • じぇ~むす今川
  • GEN
  • しおじゃり
  • cheeky☆
  • 鶴岡アキラ
  • ひぃろ
  • 堀口和也
  • 猪山奈保子

の8人で、演目としては一輪車、ボール(1,2,3,4)、エアリアルフープ、ボールコンタクト、椅子バランスなどがありました。
内容は、1人のクラウンを軸としたストーリーの途中に各演目が組み込まれる形式でした。全体に演劇っぽいですが、台詞はなく、ほぼ音楽とパントマイムだけで話が進みます。
クラウンがサーカスをクビになった話だから全体的に暗く、照明も控えめで、笑いや拍手はあまり起きません。同時多発的にパフォーマンスが行なわれて、しかもそれらの間に関連がないとか、物語にとって重要なアイテムである赤い鼻が今ひとつ見づらいとかいうこともあり、ひと言で言うと随分変わった公演でした。

色即是空

慶應義塾大学の学生やOBが企画し、大学側が主催者となって行なう比較的大掛かりなイベントです。会場は、同大学日吉キャンパスにある来往舎というガラス張りの建物のオープンスペースに設けられた特設ステージです。

2003年

2003年12月6日(土) 18:20~19:30
金土の2日間にわたって行なわれましたが、私が行ったのは2日目の公演です。ステージは、色んな大学から色んなサークルの人が出演する普通のボードビル形式のショーでした。演目は順に

  1. イリュージョン
  2. ダンス
  3. ダブルダッチ
  4. ロボットダンス
  5. 一輪車
  6. プロダクションマジック
  7. グローボールとポイ
  8. クロースアップマジック
  9. パントマイム
  10. クラブパス
  11. ダンス

でした。
演出はプロっぽいですが、内容は学生が無料で公演を行なえばこの程度かなと思われるものでした。一番よかったのはパックメン+の、クラブパス中に3人で入れ替わりながら行なうテイクアウェイで、ノーミスでした。舞夢踏の人たちのロボットダンスも意外とよかったです。

2004年

2004年12月4日(土) 18:10~19:30
この年も金土の2日間にわたって行なわれました。雨にもかかわらず開場前から長蛇の列ができていて、250あった椅子席が埋まり、立ち見の人もかなりいました。
公演内容は順に

  1. イリュージョン
  2. トランポリン
  3. カードマジック
  4. 一輪車
  5. イリュージョン
  6. 帽子
  7. ブレークダンス
  8. チャイナリング
  9. ディアボロ
  10. フットバッグ
  11. クラブパス

でした。
出演者数、演目数とも去年より多く、プロやセミプロも増えて内容がグレードアップしていました。中でも目黒のディアボロが際立って素晴らしかったです。他の人たちが音楽の勢いに頼りがちだったのとは違い、ちゃんと見せるためのルーティンができていました。
他にはトランポリンの田中という人が、エンターテイメント性は低いものの結構よかったです。あと、パンフレットや映像のできと金のかけ方にはただただ感心しました。

夢奇房

手品の中でもステージマジックと呼ばれる分野の人たちと、ジャグラーとが一緒に公演を行なおうという主旨のもとに作られた団体です。公演は毎年1回、2月下旬から3月上旬に行なっているようです。入場無料ですが、出口で投げ銭を集めるカンパ制となっています。

凛 ~静かな音の、小さな夜に~

2005年2月26日(土) 18:30~20:00
この年に初めて見に行きました。会場は定員が600ぐらいありそうな広いホールで、実際の入場者数は400弱でした。
公演はいわゆるボードビル形式で、司会の代わりにクラウンやキャラクターなど4人がいて幕間を繋いでいました。演目は順に

  1. ダンスウィズマジック
  2. バーマジック
  3. シェイカージャグ
  4. デビルスティック
  5. ケーンプロダクション
  6. チャイナアラカルト
  7. マスク
  8. ボールジャグリング
  9. ビリヤードボール
  10. クラブジャグリング
  11. ハトプロダクション

でした。5.と6.の間に10分間の休憩が入ります。
演目別では「ビリヤードボール」の山崎という人がよかったです。ただし本当にビリヤードボールを操っていたのではなく、小さなボールを使った普通の四つ玉の手品でした。
全体的には普通のショーでした。無料の公演で、手品とジャグリングの両方を見せるものにすると大抵こんな感じになります。「できる人を集める」のではなく「やりたい人たちが集まってやっている」という点には好感が持てました。

瞬 ~幕の狭間のほのかな刹那~

2006年2月26日(日) 18:00~19:30
3回目となる公演は

  1. シルク
  2. リンキングリング
  3. シンブル
  4. ゾンビボール
  5. クラブ
  6. フルート
  7. ボール
  8. カード & 四つ玉
  9. クラブパス

という演目構成でした。
今回も学生マジックの発表会のような、いたって普通なショーでした。盛り上がったのは最後の秋山、森藤という2人の鳩の演目のみでした。ジャグラー的には南里と笹野の6本のクラブパスはちょっとよかったです。
「いつか最高の舞台を創る」ということを公言するのは構いませんが、それにしては方向性が示せていない感じがしました。

Fruit on the Wedding Cake

2008年3月9日(日) 14:00~15:30
2年ぶりに見に行ったところ、会場も内容もがらりと変わっていました。従来の手品やジャグリングの演目を繋いでいくスタイルではなく、結婚披露宴会場で繰り広げられる出来事を中心とした演劇風でした。実際に役者も出演しており、その人たちには台詞もあります。
演目としては

  1. クラブパス
  2. ミリオンフラワー
  3. パントマイム
  4. ワイングラス
  5. シルク
  6. クラウン
  7. フラワースティック
  8. リンキングリング
  9. カード & 鳩

ぐらいがありました。
衣裳にも大道具小道具にもパンフレットにもお金がかかっていましたし、演出も凝っており、前回見たときとは明らかに違います。全体が統一され、展開がスピーディーで、ところどころに起伏が設けられていました。
個々の演目ではクラウンの、客を3人舞台に上げるネタがよかったです。笑いを取るだけでなく、起承転結があり、客の扱いも丁寧で素晴らしい。
結婚披露宴をテーマとしたことについては、そういったショーや演劇は世の中にたくさんあって、個人的には食傷気味です。

ゆめ戯草子 ~ふたりの浦島おかし話~

2009年2月22日(日) 14:00~15:15
500席ほどのホールで昼夜2公演がありました。私が見たのは昼公演で、客席の半分ぐらいは埋まっていたと思います。
浦島太郎を中心にいくつかの御伽噺の登場人物が出てくるという物語仕立てになっていました。方向性は去年と同じ感じです。
演目としては

  1. ダンス
  2. ゾンビボール
  3. プロダクション
  4. シェイカーカップ
  5. ダンシングケーン
  6. ミリオンフラワー
  7. クラブ
  8. デビルスティック
  9. チャイナリング

ぐらいがありました。
ジャグリング系3演目のうち、シェイカーカップとクラブはドロップが目立ったのが残念でした。デビルスティックはよかったと思います。
座った席がステージに近かったからか、手品の各演目ではタネがばれるような音や動きが散見されました。

オーブ

シガーボックスの稲葉悠介が主宰する団体で、早稲田大学ジャグリングサークル infinity のOBや現役生が中心メンバーとなっています。正式表記は aube。実力のあるジャグラーを揃えつつも、舞台公演は演劇が主でジャグリングが従です。

2017年「シェアハウス」

2017年2月18日(土) 12:00~13:15
2日間で5公演あったうち私が見たのは初日の初回でした。一般前売2200円で自由席。80ほどの座席はほぼ埋まっていました。
出演は橋本薫子(ミュージカル俳優)、久世雄一郎、田代かれん、工藤正景、稲葉悠介、小高悠嗣、土井千夏(以上ジャグリング)の7人。一幕物の演劇で、シェアハウスの公共スペースで繰り広げられる青春群像劇です。
ミュージカルでは芝居の途中で歌やダンスが突然始まるのに対して、ここでは突然ジャグリングが始まります。しかしジャグリングはメインではなく、そのパフォーマンス中にもすぐ隣で芝居が続いていたり、バックダンスが繰り広げられたりしました。ラジオでパーソナリティが流したBGMに乗ってパフォーマンスが始まるというのはいいアイデアでした。
高度なジャグリング技術が見たい人にとっては物足りないですが、舞台作品としてはよかったです。経験値の高い女優が全体を引っ張り、狭いスペースでも質の高いジャグリングが見られました。逆にジャグラーの演技力とか照明の使い方とか改善すべき点は多々ありますが、今後も頑張ってほしいと思います。

雑芸ノ頭

東京大学奇術愛好会OBの Kraken こと倉持賢一が企画、構成、出演するステージで、手品、ジャグリング、その他のジャンルのパフォーマーを集めた公演となっています。

2009年

2009年7月5日(日) 17:15~18:50
JJF2002のゲストステージと同じ烏山区民会館で行なわれました。前売2500円の全席指定で、400ほどある客席はほとんど埋まっていました。
出演は順に

  1. 小林大朗
  2. るき
  3. Kraken
  4. オオツカタカシ
  5. /0 BT
  6. KOMEI AOKI
  7. 藤山晃太郎

で、4.と5.の間に10分間の休憩があります。幕間はクラウンが繋いだり映像で芸人紹介したりしていました。
出演者の半分以上がプロで、個々の芸人が得意なネタを出しているだけあって質は高かったと思います。特にトリで手妻を披露した藤山晃太郎がよかった。こんなところでシルホイールが見られるとは思ってもみませんでした。
観客には関係者と知り合いが多かったようで、ステージ全体が大学サークルの発表会のような雰囲気でした。

Real Juggling

2005年にIJAチャンピオンシップで5人の日本人が表彰台に上がったのを記念して企画された、ジャグリングのみによる商業公演です。

2006年6月10日(土) 15:10~16:20
座席が500もある大きなホールで行なわれて、一般前売3500円の全席自由席でした。昼夜2公演あるうち私が見たのはマチネの方で、客の入りは8割程度でした。ソワレでは満席になったようです。ジャグリングのみの公演でこの大きさの劇場を満席にしたというのは画期的なことだと思います。
出演は

の8人で、演目数はオープニングとエンディングも入れて13でした。
実際に見ての感想は「個々のテクニックはあるけどそれ以外がない」というものです。ジャグラーはドロップに関しては寛容な方ですが、トータルのドロップ数はその限度を越えていたと思います。ノーミスの演技がほとんどなくてルーティンに集中できなかったこともあり、ジャグリング以外の部分も気になってしまいました。照明は暗く、道具や演者は見づらく、出捌けはスムーズでなく、無駄な暗転があり、全員で行なう演目は揃っていないなど粗が目立ちました。
今回は初めての試みということもあってある程度は許されると思いますが、少しはステージの勉強もしてください。演出というのは「全ての照明効果を使う」ことではありません。

オブジェ・ヴォラン

フランスのヌーヴォー・シルクを代表するジャグラーであるドゥニ・ポミエが設立したカンパニーによる公演です。「オブジェ・ヴォラン」はカンパニーの名前で、公演名を「サークル + 透明 + コントルポワン」と言います。出演はドゥニともう1人、シルヴァン・ガルナヴォルトだけというとても小規模なものでした。

2007年1月20日(土) 18:10~19:30
横浜・馬車道にある BankART Studio NYK という会場で行なわれました。ここは名前の通りスタジオで、暖房はなく、広いスペースの一角にステージや客席を設けるという簡素なつくりでした。100人も入れば一杯になる感じで、この日は満員ぎゅうぎゅう詰めでした。全席自由で一般3000円。
演目はタイトル通り

  1. サークル
  2. 透明
  3. コントルポワン

の3つです。
1.と2.はドゥニのみ、3.はドゥニとシルヴァンの2人で演じていました。
名前は聞いたことのあるドゥニ・ポミエが、実際にどんなパフォーマンスをするのか楽しみでしたが、最初から最後までアイデア満載で面白かったです。キャッチすると音が出る筒を4種類使っての演奏や、変わった形のクラブ「トゥルヌマン」、透明な筒や板と白いボールの不思議な動き、2人テイクアウェイの複雑なパターンなどなど。そして映像のジャグラーの、ありえない動きが秀逸でした。特に5アップトリプルピルエットには爆笑です。

池田洋介×目黒陽介 "PLAY"

2人のヨウスケによるジャグリングのコラボレーションです。自身もジャグラーであるハードパンチャーしんのすけが「こういうのが見たい」と言って企画し、実現した公演です。

2008年3月14日(金) 19:05~20:15
平日の夜で、激しい雨が降っていたこともあってか50ほどの客席は完全には埋まらなかったようです。
出演は池田洋介と目黒陽介の2人のみで、内容は

などです。それぞれに明確な区切りがあるわけではなく、同時にいくつか使われたり、同じ道具やシチュエーションが何度か登場したりしていました。
これは非常に面白い。池田洋介ソロの映像と手品、パントマイムを融合させたネタは小林賢太郎に通じるところもあり、展開も速く意外性もあってよかったです。目黒陽介ソロはボールで3演目あったのにどれも斬新で、飽きるどころか次を期待させる内容で素晴らしいと思いました。
2人の共同演目ではコンタクト対決が面白く、今までに見たジャグリングの対決物では群を抜くできでした。何といっても PLAY している2人が実に楽しそうなのがいいです。

ながめくらしつ

ながめくらしつとは、ジャグラーとミュージシャンからなる4~7人のユニットで、メンバーは固定されてないようです。楽器の生演奏とジャグリングの有機的な繋がりを特徴としており、ヌーヴォー・シルクの小さなカンパニーに近い雰囲気です。

2009年 ながめくらしつ舞台公演

2009年3月21日(土) 19:00~20:20
金土の2日間で3回あった公演のうち私が見たのは最終回です。前売2500円の自由席で、他の回は完売していて慌てて予約したらこの回も完売になりました。座席は全部で100あるかないかぐらいです。満席だからか、入口でコイン型チョコレートが入った大入袋が配られました。
今回の出演は目黒陽介、松田昇、鈴木拓矢、小春、長嶋岳人の5人で、小春がアコーディオン、長嶋がサックスなどを演奏していました。ジャグリングとしては

  • ボール
  • ボールパス
  • バウンス
  • バウンスパス
  • リングコンタクト
  • クラブ
  • ディアボロ

がありました。
初めのうちはほとんどジャグリングをせず、そのまま終わってしまうことを心配しましたが、途中から俄然面白くなりました。ただし失敗が多かったのが残念です。それを見越してのフォローやアドリブや甲斐性で乗り切ってはいたものの、やはり完成形を見たいと思いました。
公演にストーリーはなく、演目間に明確な区切りもなく、演者が出たり入ったりしながら全体で1つの作品になっている点は非常によかったと思います。1時間を越えるジャグリング公演の可能性を感じました。

2012年 「起きないカラダ眠らないアタマ」

2012年3月24日(土) 14:05~15:25
3日間4回あった公演のうち私が見たのは2回目です。前売2500円の自由席で、会場は座席が80程度の小さなホールでした。
今回の出演は目黒陽介、松田昇、鈴木拓矢、森田智博、YURI、小春、長嶋岳人の7人で、最初の5人がジャグラーです。このメンバーでの公演なら、もっと広いホールにしても十分埋まると思います。演目には

  • ついたてとボール
  • ボールソロ
  • 両側にノブのある棒
  • リングとボール
  • リングパス
  • ボールパス

などがありました。
アコーディオンとサックスの生演奏に暗めの照明で、演目間の区切りはなく、ストーリーも特にないという前回と同じスタイルでした。失敗が多いのも前回と同じです。全体で1つの作品であることとともに、ほとんどがチームとしての演目だった点はよいと思います。
前半は新しい道具や装置を使っていたものの予想できる範囲内に収まっており、それらの道具をまだ自分たちで消化しきれていない感じでした。リングとボールの途中で曲調が変わって以降はリングやボールが乱れ飛ぶようになり、5人という人数も活かされていてよかったです。ながめくらしつらしい、みんなが横に並んでの(ボール技の)ボックスや423はやはり面白い。同じアイデアを繰り返し使うことによって経験値を上げていけば、今は実験段階の前半の各演目も面白くなるのではないかと思いました。

2013年 番外編

2013年3月30日(土) 14:00~15:50
2日間で3回あった公演のうち私が見たのは2回目です。前売2500円の全席自由でした。
今までと違って目黒陽介の企画によるオムニバス形式の公演でした。出演は大橋昴汰、松村高朗、ちょろすけ、やなぞー、宮野玲、長谷川愛美、YURIの7組8人で、演目は順に

  • ボール
  • リング
  • ボール、クラブ
  • コンタクト
  • ボール、リング
  • エアリアルシルク
  • ボール

でした。
よかったのは宮野のリングの森とYURIのテーブルクロスでした。特に宮野の「緑のリングは世界に1つしかない」というルーティンと、「3個ひとかたまりのリングをおでこでバランスを取りつつ1個をフックにかけると、1個は落ちるものの最後の1個はバランスを取ったまま」という技がよかったと思います。

2014年 「おいていったもの」

2014年4月12日(土) 14:00~15:30
2日間で3回あった公演のうち私が見たのは2回目です。前売3000円の自由席は満員でした。
今回の出演は目黒陽介、宮野玲、長谷川愛美、バーバラ村田、坂本弘道の5人で、最初の2人がジャグラー、その後エアリアル、マイム、音楽担当が1人ずつです。
演目間に明確な区切りはなく、2回の暗転を挟んで全体が何となく3部構成になっていました。全員で行なう演目もあるものの、ソロ演目あるいはソロ演目の後ろで違うことをしている場面が多かったように思います。

  1. ボール
  2. リング
  3. ティシュー

第1部では床に散らばっているのがビーンバッグかと思ったら紙粘土(?)で、ちぎってどんどん増えていくのに意表を突かれました。第2部では大きさの違うリングを使ったルーティンや造形にエアリアルフープも組み合わされていました。床に散らばるたくさんのリングがいつの間にかなくなっていたのがすごいです。そして第3部は長谷川によるティシューのソロとバーバラのマイム(?)のソロでした。
ながめくらしつらしかったのは暗めの照明と生演奏で、坂本がチェロ、ノコギリ、それに電子音が出る楽器を奏でていました。
今回特徴的だったのはバーバラ村田の存在です。彼女が普段とは違うエロティックな演技を見せ、全体を通してその存在感が圧倒的でした。彼女の起用が成功だったわけで、ながめくらしつが今後そちらの方向へ進むのか、それともまた別の試みをするのか、興味深いところです。

2014年 「誰でもない/終わりをみながら」

2014年12月22日(月) 19:30~21:20
3日間あった公演のうち私が見たのは2日目です。前売3500円で自由席。平日にも関わらず200席ほどの劇場は満員でした。
今回は完全に分かれた2部構成で、第1部「誰でもない」はオーディションで集まった人などによる集団ジャグリング、第2部「終わりをみながら」は前回「おいていったもの」の流れを汲むパフォーミングアートでした。
第1部はボールのみ。ジャグラーが10人もいると全員揃って動くだけで迫力があります。秩序の中に雑音が入り、乱れたかと思った瞬間にまた秩序に戻るあたりは多人数が効果的に使われていました。1演目30分という長さもちょうどよかったと思います。
15分の休憩を挟んでの第2部は目黒陽介(ジャグリング)、宮野玲(ジャグリング)、長谷川愛美(エアリアル)、バーバラ村田(マイム)、塚田次実(オブジェクト)、谷口界(アクロバット)、坂本弘道(チェロ等)、武藤イーガル健城(ピアノ)の8人による1時間強の公演でした。主な演目には

  1. リング
  2. ボール
  3. 机と椅子のアクロバット
  4. ティシュー

といったものがありました。
宇宙を思わせるオープニングは、奥行きのあるステージ上の物体の配置や人の動き、それに音楽も含めてシルク・ドゥ・ソレイユのオーを髣髴とさせるものがありました。惜しむらくはステージの奥行きを使ったのがそこだけだったことです。
前回と同じメンバーが参加することで全体の雰囲気を継承しつつ、違う人を入れることで新しい試みにも挑戦する姿勢はよいと思いました。

2016年 「心を置いて飛んでゆく」

2016年12月17日(土) 14:00~15:30
3日間4公演あったうち私が見たのは2日目のマチネです。前売3500円で自由席。120ほどの座席の9割が埋まっている感じでした。開演時刻より遅れて始まる公演が多い中で、少し早く始まったのが珍しい。
出演は目黒陽介、森田智博、宮野玲、ハチロウ、鈴木仁(以上ジャグリング)、長谷川愛美、中村愛由子(以上エアリアル)、谷口界(アクロバット)、安岡あこ(ダンス)、坂本弘道(チェロ等)、南方美智子(ピアノ)、一樂誉志幸(ドラム)の計12人で過去最多です。主な演目は

  1. エアリアルフープ
  2. アクロバットソロ
  3. ボール
  4. リング
  5. ティシュー

ですが、演目の区切りもストーリーも特にありません。ボールとリングは全員で演じていました。
自ら「現代サーカス」と名乗っているだけあってヌーヴォー・シルクの雰囲気を醸し出しつつも、しっかりジャグリングもするし、ところどころにコミカルな演出もあって楽しめました。オープニングの、たくさんのシガーボックスを挟んで座った2人が将棋の対局のようなことを始めたのが意表を突いてよかったです。
ソロで演じていた人の近くに別の人が来てシンクロしたり、それが少しずつずれたり、またソロに戻ったりといったパフォーマー同士の関係から目が離せません。そんな中で、後ろにいる人に邪魔されながらも倒れ込みながらも、隙あらばボールを投げる(そして技も入れる!)ハチロウが白眉でした。あるいは谷口のアクロバティックかつ変な動きも素晴らしかったと思います。
天井からぶら下がって絡み合ったシルクは、ただの舞台美術かと思わせて最後に利用され、パフォーマーが空中へ消えていくエンディングは秀逸でした。

頭と口

YURI こと山村佑理と渡邉尚の2人によるジャグリングカンパニーです。山村はトスジャグリングから入って次第にダンスの要素を取り入れていき、フランスのサーカス学校にも留学しました。ながめくらしつや Daggle Crew にも参加しています。渡邉はジャグリングよりもダンスがメインで、コントーション、アクロバットなどの要素も取り入れています。

MONOLITH

2015年12月27日(日) 13:05~14:00
「頭と口」の旗揚げ公演かと思いきや、まだ旗揚げ前らしいです。会場は中野テルプシコールで、80ほどの座席は埋まって通路にも座布団を敷いて客を入れていました。3日間で5公演あったうち私が見たのは4回目、最終日のマチネでした。前売2500円の自由席。公演後、PONTE 編集長の青木直哉を加えてのトークショーがありました。
演目は

  1. 山村「ネタオーレンに捧ぐ」
  2. 渡邉「逆さの樹」

の2つで、いずれも30分弱のソロ演目です。演目間に片付けなどで若干の間がありました。
2人とも床に置かれたたくさんのボールを拾ったり、口にくわえたり、体に載せたり、地面に並べたりしていました。渡邉は初めて見ましたが、動物の鳴き声を背景に動物的な動きを次々と見せていくのが面白かったです。手や足でボールを掴みはするもののほとんど投げず、ジャグリングと言うよりはコントーションに近い。山村は、現在彼が一番興味があるというコンテンポラリーダンスを織り交ぜたパフォーマンスで、こちらもあまり投げません。
日本でヌーヴォー・シルクが芽生えていく様子が垣間見えて、それはそれでよかったと思います。残念だったのは、2人の公演なのに2人で行なう演目が全くなかったことです。カンパニーを正式に立ち上げたあかつきには、この2人が揃わないとできない演目を創作してくれることを願います。

WHITEST

2016年11月6日(日) 15:05~16:15
「頭と口」の旗揚げ公演で、横浜のKAATにて行なわれました。大スタジオと呼ばれる150席ほどの会場の8割が埋まっている感じです。私が見たのは2回あった公演の2回目で、一般3000円の自由席。公演後にアフタートークもありました。
大スタジオは座席スペースよりも演技スペースの方がずっと広く、その広さを生かした(と言うよりその広さがないと表現できない)パフォーマンスでした。1時間強の時間を使った1つの演目で、床に散らばった100個のビーンバッグを投げたり集めたり並べたりと、様々なアイデアを披露していました。
冒頭の演技では床を垂直の壁に見立て、ボールをフリークライミングの手がかりのように使用して、その壁を登ったり降りたりするのが非常にそれっぽくてよかったです。ただ、その後はどこかで見たことのあるような動きがずっと続いて、特に印象に残るものがなかったのが残念でした。それは、「広い床に100個のボールがあったら何ができるか」という観点から導かれるアイデアの域を出ていないからでしょう。
道具としてはビーンバッグを使用しているものの、これはジャグリングではありません。サーカスやダンスでもなく、一番近いのはクラウニングだと思いました。今後もこの方向性で行くのかは分かりませんが、個人的にはジャグリングを期待します。

空転劇場

小林智裕が主催するジャグリングチーム「空転軌道」を中心として、何組かのパフォーマーが出演するオムニバス公演です。会場は浅草東洋館に固定されているようですが、不定期開催で出演者も毎回違います。平日の夜1回限りの公演で、タイミングが合わないとなかなか見に行けません。

2016年 vol 5

2016年2月10日(水) 19:00~21:15
前売と言うか予約すれば2000円でした。浅草東洋館は200席ほどある意外に立派な劇場で、自由席だったため前から3列目のやや上手側に座りました。7割ぐらいの入りだったようです。
出演は順に

  1. オオクラクエストⅦ(ボール)
  2. ホワイトアスパラガス
  3. SPINATION (ヨーヨー)
  4. コルセ
  5. AAPA (リング等)
  6. KINETIC ART
  7. 空転軌道(シガーボックス、リング、ベル付きリング)

で、4. と 5. の間に10分ほどの休憩がありました。
ひいろが司会をしていて、出場者の紹介だけかと思いきや、毎回何らかのネタを披露していました。
コルセは本来なら2人組ですが、相方の京太郎が怪我で出演できなくなってしまったため、急遽ボンバングーが1人で演じることになりました。彼がソロ演目として選んだのがなんと口上芸。和服で座布団に座り、昔の物売りの口上を早口で延々と続けていました。専門家ではないので芸の良し悪しは分かりませんが、その迫力にはすさまじいものがありました。珍しいものを見せてもらったわけですが、ボンバングーなら普通にソロのジャグリングでよかった気がします。
空転軌道は小林智裕、野中葵、JIN の3人でした。シガーボックスなどもやっていましたが、ベルの付いたリングを投げてハンドベルのように鳴らすネタがよかったです。3人もいるから音を出すタイミングをずらしたり音色の違うベルに取り替えたりすることが容易で、大きな可能性を秘めた演目だと思います。ただし現状では3人の技術レベルが曲を演奏するところまで達しておらず、消化不良の感は否めません。いずれ完成形を見てみたいです。
2時間を超える公演で、全体的に散漫な印象でした。司会が出てくるたびに1ネタ行なっているにも関わらず、道具の出し入れはその前後に舞台を暗転させてから行なうという要領の悪さに加え、照明や音響の入りも遅い。司会が「公演時間は1時間半ぐらいだと思っていた」と言っていたことからも手際の悪さは明らかです。一夜限りで終わらせるのではなく、同じ構成でせめて3回ぐらい公演してはどうでしょうか。

2017年 vol 11

2017年3月23日(木) 19:00~20:40
予約で2500円でした。今回も自由席でところどころに空席があったので6列目の下手側通路横の席に座りました。7~8割ぐらい入っていたと思います。
出演は順に

  1. 市川卓
  2. 西島公則
  3. 秋場遥輔
  4. KENTO
  5. BOX ACTOR YAYA
  6. フナキユウスケ
  7. Daggle Crew
  8. チャタ
  9. ハチロウ

でした。5. と 6. の間に10分間の休憩が、7. と 8. の間に小林智裕とフナキユウスケによるミニトークショーがありました。Daggle Crew は KOMEI と TAISHI の2人組で、それ以外は全てソロです。
司会は目黒洋介と結城敬介で、少ししゃべっては2組ずつ紹介していくのですが、テンポもよく、長さ的にもちょうどよかったと思います。
パフォーマーの中ではやはりハチロウが白眉です。3ボールのトスとヘッドストールを組み合わせたルーティンで、壁にぶつけて跳ね返ってきたボールをそのままストール(!)したり、ストールしたまま技を入れたりしていました。
フナキユウスケは、シルク・ドゥ・ソレイユのラ・ヌーバに出演していたというソロ縄跳びの人ですが、それよりも後半のグラフィックポイがよかったです。棒状のLEDを回転させることで花や火や稲妻などのカラフルな絵を暗闇に浮かび上がらせていました。
今回の公演で残念だったのは、照明の暗いパフォーマーが多かったことです。グラフィックポイ以外の演目で照明を暗くする必要はなく、演出としての効果はなかったと思います。単に照明がまぶしいから暗くしたようにしか見えませんでした。