堀の外のジャグリング

プロのジャグラーを中心にして、ジャグリングの新しい可能性を探るべく企画された公演です。主催はハードパンチャーしんのすけ。「道具は1人1種類のみ、10分以上」という制約に基づいて作られた作品のオムニバスとなっています。
本筋とは関係ないものの、入場者全員に軽食のサービスがあるのが珍しい。「飲み食いしながら見てくれ」という精神が私は好きです。芸人たるもの、飲み食いしてる客の手を止めさせるパフォーマンスができなければダメだと思うからです。

2008年

日時2008年6月28日(土) 14:10~16:00
場所深川江戸資料館
料金前売2,800円

この年は会場を別の小ホールに移し、金土の2日間で計3公演が行なわれました。私が見たのは土曜1回目で、全席自由でした。230ほどある客席の半分は埋まっていたと思います。会場が変わったため軽食のサービスがなくなってしまったのがやや残念です。
出演は

の5組10人に、司会・口上として舞丸が人形遣いと幕間のネタを披露していました。
毎年出演者が変わっているから単純な比較はできませんが、時間の使い方が段々うまくなってきているように思います。複数の作品を演じる場合でもそれぞれを明確に区切るのではなく、なんとなく繋がりを持たせている人が多かったです。
個別で一番よかったのはハードパンチャーしんのすけと chie のユニット on-sa で、ここで初めて見ることができました。chie さんのパフォーマンスを最後に見たのはJJF2006チャンピオンシップだと思いますが、当時は「自分が楽しい」というスタンスだったのに対して、今は客を巻き込んで「全員が楽しい」という方向に持っていくことができています。表情も動きも劇的に変わりました。小道具(大道具?)の枠の使い方もうまく、今後注目すべきユニットだと思いました。
ながめくらしつのメンバーは目黒、松田、池部、小春の4人でした。

2007年

日時2007年6月16日(土) 14:00~15:30
場所門仲天井ホール
料金前売2,500円

この年は金土の2日間で計4公演が行なわれました。私が見たのは土曜1回目で、全席自由でした。
出演は

の6人に、チクリーノが司会をしていました。
10分をフルに使って1作品を演じるには全体を貫く物語が必要なんだと思います。その意味ではジャグラーテルの「変身」がいい線いってましたが、物語を消化しきれていない感じでした。それ以外の人たちは結局2作品を演じることで対処していました。
オオツカタカシの1ディアは久しぶりに「はっ」とするルーティンで、私はこういう曲ピタなのが好きなんだということを改めて認識しました。CHIKIのパントマイムはゆっくりした動きですごい。目黒陽介の前半はステージでしか実現できない光を使ったパフォーマンスで、野心的でいい試みですが誰でも思いつく範囲を脱していない気がします。後半の3ボールはとてもよかったです。

2006年

日時2006年6月24日(土) 15:30~17:20
場所門仲天井ホール
料金前売2,500円

会場は門前仲町にある小さなホールで、100人入れるかどうかでした。私が見たのは1回目で、自由席です。当日券で入って立ち見の人も何人かいました。
出演は

の9人でした。
斬新な企画は素晴らしいと思いますが、各芸人がそれを消化しきれていないのもまた事実でした。10分という、1種目としては長い時間をみんな持て余していたように見えました。本当の意味での結果を出すには同じテーマで多くの経験を積む必要があるでしょう。そうして初めて「堀の外」に出られるのだと思います。